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結晶多形

安息香酸コレステロールの色つき結晶を眺めるには、プレパラートを百数十℃に暖めた上に粉を載せて溶かして、上にカバーガラスを置いて、適当に冷却すればよい。
ただ、このプレパラート、長時間(数ヶ月から年単位)放置していると、色つき結晶の中に、見た目が鮮やかではない領域が出現してくる。
結晶多形_c0164709_08201810.jpg

おそらく、複数の結晶形があって、冷却で出現しているのは準安定相で、じわじわと出てくるのが安定相なのだろうと思う。
安息香酸コレステロールは、高温側から等方相-ブルー相-コレステリック相-スメクチックA相-結晶相なのだけれど、スメクチックA相では分子が平行に並んだ形状なので、それに引っ張られて最初に出現する結晶相が準安定相になるのかなぁなどと思っている。
これを書きながら、写真のようなプレパラートを昇温過程で観察したら、融解温度が異なっているのが見られるかなぁなどと思案中。
by ZAM20F2 | 2019-08-14 08:28 | 液晶系 | Comments(0)
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