カテゴリ:科学系( 471 )

驢馬3兄弟

前にも出したことがある伏見康治さんの「驢馬電子」。
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科学知識に連載されたものをまとめたものだ。科学知識はこんな感じの雑誌。
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残念ながら、伏見さんの連成は載っていない号だ。


前にも出した驢馬電子は、戦前の発行だけれど、確認した限りで戦後に2回ほど別の出版社から出ている。
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1つは、中央公論の自然選書版。タイトルは「ろば電子」となっている。そして、もう一つはみすず書房の著作集に収められたもの。
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こちらもタイトルも「ろば電子」だ。

驢馬電子はだいぶ前に買込んだのだけれども、戦後に「自然」に書かれていた解説シリーズが読みたくなって、収録されているのが著作集だけだったので、著作集を丸ごと買い込んだ結果として2冊目がやってきて、持運んで読むのに手頃なのが欲しくなって3冊目がやってきてしまった。

本の表装はなんと言っても「ろば電子」の2冊より「驢馬電子」が気に入っている。
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とても原子物理入門とは思えないユーモラスな光景だ。驢馬電子は、電場によって普通の電子とは逆方向に動くような電子のことなんだけれども、この本で驢馬電子の話が出てくるのは随分と後の方。殆どの頁は驢馬電子以外の話となっている。そういう意味では、「驢馬電子」というタイトルは、なかなかに意表をついたものであるのだけれど、それがタイトルとして使われているのは、その時代には驢馬が身近な存在だったためなのかと思っている。

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by ZAM20F2 | 2018-10-13 07:52 | 科学系 | Comments(2)

かなり均一

超鋭敏色法がらみで出した雲母片、頑張って剥がしたのだけれども、均一に剥ぐことは出来ずに、どうしても色調のムラが出ていた。
井上信也さんの自伝を読んでいたら、雲母を5ミクロンに剥いで、ブレースケラー用の位相差板を作ったなんて話があるのだけれど、どうやるとそんなまねができるのか不思議だった。
均一に薄く出来る気がしなくて、雲母板は放置していたのだけれど、少し前に紹介した偏光素子の本を眺めていたら、雲母は水中で剥ぐと空気中よりやりやすいということが記してあったので、早速に洗面器に水をいれて剥いでみた。
確かに、水中の方がスムーズに剥がれる。とりあえず、1枚しかためしていないけれど、空気中のものより均一性はよい。
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1枚だと、色がでないけれども、2枚重ねると、合わせて265nmよりちょっと大きめという感じになる。
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必要に迫られて、ひたすら雲母を剥いでいたら、いつかは液中で作業することを思いついたかもしれないけれど、本のお陰で、他の層状物質にも使えるかもしれない芸を知ることができた。
昔の本には、実験のちょっとした技術が書いてあることが結構あるのだけれど、最近の本にはそういう話はほとんどなく、いろいろな芸が埋もれているのだろうなと思う。

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by ZAM20F2 | 2018-09-19 07:46 | 科学系 | Comments(0)

超鋭敏色法

だいぶ昔に、通常の鋭敏色板(530nm)の半分の位相差の位相差板を平行ニコル間に入れると、普通の鋭敏色と同じ色調になり、微小位相変化に対する感度は普通の鋭敏色より高いという話を書いた。その時には、比較写真を出さなかった気がするので、だいぶ時間が経ってしまったけれど、実例を出そうと思う。

試料として用意したのは雲母板を適当に剥いだもの。端っこのところがそれなりに薄いので、そこに注目して欲しい。軸方位を合わせると、当然のように消光状態となる
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まず、鋭敏色板なしでクロスニコル間の画像。長く見えてるエッジのところに、ちょっとした出っ張りがあるのだけれども、コントラストはあんまりはっきりしていない。
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これに普通の鋭敏色板を入れてみる。すると、確かに長く見えているエッジのところのM型の出っ張りが目に入ってくる。あと、鋭敏色板を入れないと消光状態になる配置で、内部に何か変な方向の切れっ端が存在するのが見えてくる。
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試料を逆方向に回転すると、色調は青色系から暖色系へと変化する。
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続いて、平行ニコルに266nm位相差板を入れたもの。色調変化は普通の鋭敏色板と同じだけれど、確かに色調変化が大きくなって見やすくなっている。ちょっと便利かもしれない。

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※その後、普通の鋭敏色版でコントラストを上げられる方法が見つかってしまっています……

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by ZAM20F2 | 2018-09-12 07:12 | 科学系 | Comments(0)

CマウントにカラーコンパスMFをくくりつける

カラーコンパスMFはCマウントポートがあれば、とりあえずでよいなら簡単に顕微鏡に取り付けられる。
ステップ1 顕微鏡のCマウントに適当なCマウントの部品をねじ込む
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ステップ2 mtテープの内径がCマウント部品の外径とほぼ同じなのを良いことに、上にかぶせる
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ステップ3 カラーコンパスの出っ張りがmtテープの内側に入るのを良いことに、上にのっける。
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ステップ4 落ちないようにテープでとめる
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フランジバックは、幅が15mmのものを使えば、実質問題ないレベルになるだろうと思う。
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by ZAM20F2 | 2018-08-26 08:38 | 科学系 | Comments(0)

カラーコンパスMFでを顕微鏡にくくりつけてみる

顕微鏡のCマウントにつけていたμ4/3カメラを外してカラーコンパスMFをくくりつけてみた。分光器をつける時は、入射スリットを撮像素子の位置に置くのが正しいだろうとは思うけれど、とりあえず、Cマウントのフランジバックは考えずに、外したCマウントにとりあえず、マスキングテープでくくりつけてみた。

分光測定の手順は前のエントリーで示したので今回はデータだけ。
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黒が参照信号で、青が測定したもの。露光時間は3000μ秒(3m秒)で、積算は128回。感度が高いので積算回数を多くしても、測定でいらいらすることはない。

割り算をして参照信号とともにしめすと、
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と、それなりに透過スペクトルが測定出来ている。まあ、450nmより短波長は、LED光源を使っている関係で光が来ていないので、まともなデータではない。でも、ノイズが多く見えないのは、オフセットがあるためだろうと思う。

測定したのは、適当に作った液晶用のセル。波打って見えているのはセルギャップに対応した干渉パターンで、これを使うと、セル厚が測定出来る。
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測定データにあうように、エクセルの上で手動でフィッティングしてみた。このセル、およそ6ミクロンだと思う。
セルが厚くなると周期が短くなっていく。どこまで取れるかは分解能次第なのだけれど、いずれ、それも確認するつもりだ。

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by ZAM20F2 | 2018-08-22 20:53 | 科学系 | Comments(0)

カラーコンパスMFでの透過率測定

カラーコンパスMFを使っての透過率測定をやってみた。測定では、まず光源の測定を行い、続いて測定対象を透過した光を測定する。測定領域全体でS/Nの良いスペクトル測定のためには、可能な限り測定領域で光源のスペクトルがフラットで特に強度が弱い波長が存在しないことが望ましい。

カラーコンパスMFでは波長感度補整が可能だが、透過測定では、このチェックボックスを外しておく必要がある。
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上のスペクトルは感度補正をしたもの。長波長側の強度が強く、実質的に長波長端が最大となっている。チェックボックスを外したスペクトルは次に示すように大きく形が違う。
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補整なしでは670nm付近にピークがあり、長波長側での信号強度が低下する。また、信号強度の最大値が飽和強度より遙かに弱くなっている。露光時間を約3倍にして、全体の信号強度を上げることが出来る。
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カラーコンパスMFの新しいソフトバージョン(8月17日版以降)には、ワンショットの記録機能がある。カラーコンパスMFは、記録保存にチェックボックスを入れないと測定データが保存される形式では保持されず、チェックボックスを入れると、連続で記録されてしまい、どれが必要なデータであるかの見極めが困難になる。この点、記録保存のチェックボックスを入れずにスペクトルを見ながら、必要な時点でワンショットを押すと、その時のデータが記録されるので必要なデータだけを記録できる。なお、8月19日版では、それまでのデータをクリアする機能が付いているので、途中で必要なデータを保存下の地にデータをクリアしておけば、次のcsv保存時に、どこから保存すべきか考えなくても大丈夫になる。

計測方式を光源モードでワンショットで記録した後、透過モードにして、100%透過をクリックすると、表示データはそのときのスペクトルと、100%値で割ったデータとなる。フィルターを何も入れない状態では、ほぼ100%ラインとなっている。
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これにフィルターを入れるとスペクトルが変化して透過率が見える。必要に応じて、ワンショットを押してデータを記録するようになる。
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その後、CSV保存で必要なデータセット(複数が同時に保存出来る)すればよい。なお、透過測定でも、割り算した透過スペクトルデータではなく、生の透過データが記録されている。透過スペクトルを別のソフトでグラフ化するなら、改めて割り算をする必要がある。といっても、スペクトルデータは透過ではなく吸収スペクトルで表記することもあり、また、生データがある方が、ノイズの状況なども判断できるので、これはありがたいことだ。

ezSpectraも透過測定機能はあるが、光源が弱いと測定領域とならない。その点カラーコンパスMFは光源が弱い領域も文句を言わずに測定してくれる。これは、ありがたい反面、注意が必要なこともある。示したスペクトルデータは富士フイルムのSP5というフィルターだが、そのデータシートを見ると400nmより短波長は単調に透過率が減少していく、カラーコンパスMFの測定結果で短波長側で透過率が上昇しているのは、オフセットの補正不足か、あるいは、フィルターで落とし切れていない迷光のためであろうと思う。
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by ZAM20F2 | 2018-08-20 06:56 | 科学系 | Comments(0)

最終巻

知り合いさんからOPlusEを頂いた。
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霜田光一さんの聞き書きの記事があって、面白いよとの話だった。
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記事を見ると、
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なんて写真があり、えっと、小学生でこれを作ったのかという驚きと、その写真(下手すると実物?)があるんだとの二重の驚きがある。まあ、電気機関車だと、もっと見苦しいのは作った人もいるかもしれないけれど、
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になると、何者感が深い。工作の図面も
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な感じで残っている。
確かに、少年技師シリーズなどで工作の本はあるのは知っているのだけれど、それにしても、この人、それに匹敵するような物を作っている。

ところで、OpluseEには看板の連載がある。というわけで、霜田さんはとりあえず置いといて、その連載を探したのだけれど見当たらない。代わりに見つかったのは
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えっと、ということは連載は終了していたのだ。何しろ40年近く続いた連載だから、気分的にはあと100年ぐらいは続くんじゃないかという気になっていたけれども、冷静に考えれば、終わるのは当たり前の話。むしろ、ここまで続いていたのが奇跡的な話かもしれない。この本、最初に買ったきっかけは覚えていないのだけれども、このシリーズで知ったことは数限りないぐらいだ。もっとも、内容に関する理解度は高くはなく、今でも必要に迫られると慌てふためいて関連記事を探してはお世話になっている。著者は「ニコンの至宝」かもしれないけれど、このシリーズの本は、日本に光関係者の至宝だ。自国語にこんな本があるのは本当に幸せだと思う。

というわけで、最終巻も手に入れましたとも。
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色彩論がらみの話が中心で、まだ目を通していないけれど、色々と目から鱗が落ちるだろうなぁと楽しみにしている。最終巻だけあって
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と、全体の目次やら索引が付いている。これは、急ぎの時には便利かもしれない。何しろ、慌てふためいて知りたい記事を探そうとしても、その巻のその場所にたどり着く前に、他の面白い記事に目が行って、最初の目的を見失うこともしばしばだから。でも、それで広がることは多く、索引に頼るのは本当に切羽詰まった時だけにするのがよいかなと思っている。


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by ZAM20F2 | 2018-08-18 10:42 | 科学系 | Comments(0)

ezSpectra 815V とカラーコンパスMF

カラーコンパスがPCFからMFになって、使える測定機になってきた。そこで、改めて、2つの分光器の比較を行ってみたい。

ezSpectraもカラーコンパスも、浜松ホトニクスのマイクロ分光器を使っているが、使用しているモジュールは異なっており、ezSpectraは高ダイナミックレンジのCM12666MA、カラーコンパスは高感度のCM12880MAを使っている。CM12880MAの方はモジュール内部で信号の増幅を行っているようだ。


分光器としての分解能や測定範囲は実質的に同程度と考えてよい。カラーコンパスの方が長波長側は少し伸びているけれども、840nmのLEDの波長確認以外はあまり用途を思いつかない。

浜松ホトニクスのマイクロ分光器は測定範囲外の強い近赤外光が入ると、400nm付近から短波長側にかけて浮きが生じる。カラーコンパスMFでは850nmより長波長をカットするフィルターが取り付けられており、短波長側の浮きは抑制されている。

波長感度構成は、両方とも行われている。ezSpectraの方は、紫外まで出力のある光源を使っており、全波長領域でメーカー校正が行われているが、カラーコンパスの方は、400nm以下の短波長領域に関しては、浜松ホトニクスの代表感度分布で代用している。短波長領域の確認はしていないが、豆電球のスペクトルを測定した限りでは、両者は問題のない範囲で一致した結果を与えると思う。なお、カラーコンパスは、補正していない生のデータを測定する機能もある。

カラーコンパスの校正は相対値であるのに対して、ezSpectraでは絶対値の校正となっている。このため、ezSpectraでは照度の計測ができる。

付属するソフトウェアはezSpectraの方が親切で多機能である。一方で、透過や反射測定では、参照信号強度が弱い波長は測定されなくなるという親切すぎる部分もある。一方のカラーコンパスは、このような親切さの餅泡はなく、参照信号強度が弱い波長領域ではS/Nの悪いデータが出てくる。

両者ともCSV形式でのスペクトルデータ書き出しができる。ezSpectraでは分光器のピクセルごとのデータがそのまま書き出されるため、波長は小数点を含み間隔も整数値ではない。カラーコンパスは書き出し時に、波長間隔と書き出し範囲を指定できる。カラーコンパスも、内部では非整数値でスペクトルデータを持っているはずなので、何らかの補完操作をして整数値の書き出しを行っているはずだが、どのような演算をしているのかの情報は出されていない。

感度はカラーコンパスの方が2桁から3桁高いように思う。これは、使用している分光ユニットの違いによる。感度が低い一方でezSpectraの方が安定性はよいように感じている。オフセットに関しては、カラーコンパスは自動補正となっている。マニュアルから推測するに、オフセットの主因は、温度依存性のある読み出しや内部バイアスで、いくつかの温度でのオフセット値を持っていて、そのときの温度から使うものを選んでいるようだ(測定時に温度表示もできるので、内部に温度センサーを持っているのは間違いない)。ezSpectraの方は、起動時に、Bad表示がでた場合には、光を入れない状態で、オフセット補正を行う。操作はボタンを押すだけで自動的に行える。

表示モードと情報はezSpectraの方が多い。カラーコンパスでもスペクトル測定後にCIEの色座標を出すモードはあるが、ezSpectraの方は、色座標に加えて、相関色温度、演色性評価指数を表示するモードや、照度と光合成@を表示するモードもある。また透過測定でも透過率に加えて吸光度表示も可能である。

両方を並べて見た感想として、日常レベルの光で演色性も含めた評価をしたいならezSpectraの方が優れており、顕微鏡にくくりつけて分光測定をするような用途に関しては、感度のこともあり、カラーコンパスの方が使い勝手が良さそうだというところだ。顕微鏡にくくりつけての分光測定では、測定領域全体でのS/Nをあげるためには、センサーの生の感度に対して、なるべくふらっとになるように参照光を調整する必要がある。そのためには、生のデータを見られる必要があり、この点でもカラーコンパスの方が優れている。


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by ZAM20F2 | 2018-08-17 08:15 | 科学系 | Comments(0)

カラーコンパスMF

追記:2018/08/17

このエントリーの最後にあるcsvファイルの書き出し方向については、改良されたソフトが公開された模様です。


カラーコンパスはATシステムさんの製品で、浜松ホトニクスのC12880MAを使った可視領域の分光器。メーカーからの購入もできるけれど、今年の2月からカラーコンパスPCFが秋月電子通商で扱っている(しかも、直販より安い)。その後、夏に型番がPCFからMFになり使い勝手が向上している。秋月のWebにはPCFも掲載されているけれども、価格は2000円ほど高いのだけれども、MFを選ぶのがお勧めだ。PCFを既にお持ちの方は、秋月から買った品はメーカーでの有償バージョンアップが可能で、これは、やる価値のあるバージョンアップだ。
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こちらは、PCFのソフトの画面。
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MFのソフトの画面はこちらで、MFの方は、透過や反射測定が整理されて出ていて、使い勝手が良くなっている。というか、PCFの方は、この状態では、ものすごく大きなオフセットが載った画面となっていて、ダークを登録して、それから、表示データを生データではなく、生データからダークを引いた物を選ぶ必要があったのだけれど、そのあたりは、自動でされるようになっている。
分光器のダークというと、露光時間に比例したノイズと、読み出し時のノイズ、そして、回路のオフセットがあると思うのだけれど、マニュアル(これも、MFになって初めて出来た)を読むと、温度毎にダークの値を記録してあるように読めるので、露光時間ではなく、読み出しノイズ等がダークの主因なのだろうなぁと推測している。
MFの方には、波長感度補整の蘭があり、これにチェックを入れると、感度補正したスペクトルが得られる。
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これは、豆電球を測定したものだけれども、そのままだとピークを持つ構造が出てくるのが、補整を入れると、長波長側にめがけて強度が上がっていく、いかにも黒体放射の曲線となる。
感度補正は、ATシステムさんが持っている、波長校正された分光器を基準に行っているらしい。
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こちらは、感度補整したデータだけれど、両者の違いは、黒い方がそのまま、もう一方が拡散板を通しての測定。浜松ホトニクスの分光ユニットは、平行に近い光を入れると、入射方向で微妙にスペクトルが歪む。その影響が出ている。
さて、では、この感度補正がどの程度信用できるかをチェックすべく、ezSpectraで同じ電球を測定してみた。
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ezSpectraの短波長側が上がっているのは近赤外光の影響。カラーコンパスの近赤外カットフィルターの効果が見て取れる。このフィルター、ATシステムさんに分光データが掲載されている。どこのメーカーの品かは書いていないのだけれど、見つけたら、思わず買い込みたいと思えるような、分光分布をしている。
短波長の部分を除けば、両者はほぼ一致していると思って良い。両方とも、可視域の光強度分布は、問題内範囲で測定可能だ。

カラーコンパスはMFになって、特に、ソフトの使い勝手が上がって実用的な道具になったという印象を持っている。現状で、CSVファイルにデータを保存すると、波長毎のデータが行並びになるために、普通のソフトでグラフを描くためには、行と列の入れ替えをする必要があるなど、謎仕様は残っているのだけれども、このあたりはいずれ改良されていくだろうと思う。

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by ZAM20F2 | 2018-08-12 07:56 | 科学系 | Comments(0)

カラーコンパスMF(予告)

手元にあった、カラーコンパスPCFがカラーコンパスMFになって戻ってきた。PCFからMFへのバージョンアップ内容は

1,850nmより長波長をカットするフィルターの装備
これにより、豆電球などのタングステンランプを光源とした時に、400nmより短波長側でスペクトルが浮いてしまうのが見られなくなっている。
2,測定ソフトの改良
PCFのソフトはお世辞にも使い勝手が良いとは言えないようなものだった。実際、PCFを買い込んだのは良いのだけれど、このWebで示したデータを測定してみただけで、実際の測定には活用できていなかった。カラーコンパスPCFの分光ユニットは感度は高いが揺らぎがあるので、測定に使うには、測定結果を平均する必要があると思っていたが、MFのソフトでは平均機能が加わったため、安定したデータが得られるようになった印象がある。また、それ以外の使い勝手も良くなっている。
3,感度校正
ATシステムでASD FieldSpec3という分光器で測定したデータを基準にして感度校正を行っており、波長毎の強度分布が測定できるようになっている。感度校正は個体毎に行っている。
4,マニュアルの整備
PCFにはマニュアルが存在しなかったがマニュアルのPDFがダウンロードできるようになった。

という以上の4点。まだ、本格的に試していないけれども、このバージョンアップ、2500円以上の価値がある。すでにPCFをお持ちの方は、是非ともバージョンアップされることをお勧めする。

近日中に、もう少し詳しくカラーコンパスMFの紹介を予定している。
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by ZAM20F2 | 2018-08-09 20:59 | 科学系 | Comments(0)