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C12666MAとC12800MAの感度を考える

ezSpectraはC12666MAをカラーコンパスPCFはC12880MAを使っている。両者で何が違うのかと言えば、浜松ホトニクスのカタログでは、C12666MAが高ダイナミックレンジ、C12880MAが高感度とされている(それ以外にC12880MAの方が長波長まで測定できるといった違いもある)。C12800MAは内部に増幅器を持っていて信号を増幅しているらしい。ただし、両方の感度に関する情報はなく、どの程度高感度で、どの程度ダイナミックレンジが広いのかはカタログを眺めてもよくわからない。

ところで、そのカタログにある測定出来る入射光量範囲を見てみると、C12880MAが3E×10-14~1×10-6であるのに対して、C12666MAは3.5×10-13~3×10-7となっている。C12880MAの方が測定可能範囲が広いわけで、単純に考えると、C12880MAの方がダイナミックレンジも広いのではないかと思われる状況になっている。
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ただ、カタログを見ると、測定出来る入射光量範囲は、それぞれのデバイスの設定可能な蓄積時間から算出していると記してある。設定可能な蓄積時間は両者で異なるとされているのだけれども、その範囲については明示的には示されていない。

ただ、浜松ホトニクス製の評価ボードのスペックとして、C12666MAに対応するものは5ミリ秒から10秒となっており、C12800MAの方は、0.011ミリ秒から100もしくは1000ミリ秒となっている(カタログにより異なる。単体のカタログは1000ミリ秒になっている。)。他にデータがないので、これを設定可能な蓄積時間として考えることにする。

すると、光量範囲の最大値は、最小蓄積時間、最小値は最大蓄積時間に対応するはずである。そこで、最小と最大を蓄積時間10ミリ秒にした場合にどのような値になるかを計算することにする。このときの最小値は、測定可能な最小電荷で、最大値が飽和電荷になると考えられる。両者の比がダイナミックレンジになるはずだ。

C12666MAの方は、10秒で3.5×10-13なので、10m秒だと3.5×10-10が最小値となる。最大値は5ミリ秒で3×10-7なので、10ミリ秒だと、1.5E×10-7となる。一方のC12800MAは、最大蓄積時間を100ミリ秒とすると、最小値は3×10-13、1000ミリ秒なら3×10-12となる。最大値は、0.011ミリ秒で1×10-6なので、1.1×10-9となる。まとめると、
C12666MA 3.5×10-10~1.5×10-7
C12800MA 3×10-12(3×10-13)~1.1×10-9
となる。最大値と最小値の比をとると、C12666MAは430、C12800MAは370程度となる。なお、C128000MAについては、最大蓄積時間を100ミリ秒とすると、比率は3700になってしまうのだけれど、これは、さすがに値が大きすぎるので、1000ミリ秒を用いた値としている。

この計算にどの程度の正当性があるのか分からないけれども、一応、C12666MAの方が15%程度ダイナミックレンジが広いことになる。高ダイナミックレンジというには、差が少ない気もする。
ただ、前にも記したけれど、C12800MAを使ったカラーコンパスPCFは測定データが揺らぐのだけれども、これはC12800MA本体の特性が絡んでいるようだ。

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by ZAM20F2 | 2018-04-03 07:25 | 科学系 | Comments(0)

カラーコンパスPCFの飽和値について

カラーコンパスPCFは12ビットのA/Dを使っている事になっているが、表示されるグラフの最大値は4100程度であるにも関わらず、各波長の強度データは小数点以下の数値がある。この点は、前に記したように、本来は、整数波長ではない横軸を整数波長毎の値にするときの補間計算により生じた物なのだろうと思える。

ただ、ダークが800程度あるにも関わらず、ダークを引いた値の強度データが3300を平然と超えるのは腑に落ちない点であった。差引き後の値が3300より大きくてもスペクトルが歪まないのなら、信号強度の最大値は4095ではなく、より大きな値でなくてはならないからだ。

そこで、わざと露光時間を長くして、スペクトルの所々が画面を超えるような状況の測定を行った。ダークを引いていないものでは、飽和値は8000程度となっている。一方、ダークを引いたものは、最大値が7200程度で、8000からダークの800程度の値を引いたところで飽和している。
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この結果を見ると、カラーコンパスPCFの飽和レベルは、8000程度であることになるのだけれど、そうなるとA/Dが12ビットであることや、ホワイトの初期値を4095としていることなどとの間に齟齬が生じてしまう。8000までの値を扱うなら13ビット欲しいはずで、それを12ビットで処理していたら、強度は2単位での変化となってしまう。

まあ、分光器の使い勝手としては、フルスケールを超えたとたんに信号が飽和するよりも、ある程度の余裕があった方が有難いのはたしかではある。でも、フルスケールの倍まで余裕があるとなると、少しばかりだまされた気分となる。何しろ、現状では4000を11ビットで扱っていることになるので、最小分解能は1/4000ではなく1/2000とA/Dからの思い込みの半分になってしまっているのだから。




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by ZAM20F2 | 2018-04-01 14:58 | 科学系 | Comments(0)

カラーコンパスPCFの保存ファイルの内容

カラーコンパスの入射光部分には厚さ3mmのプラスチック板が取り付けてある。
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これを外すと分光ユニットが顔を出す。
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周囲の板より0.5mmほど奥まった位置に分光ユニットの前面がある。スリットの位置は分光ユニット前面から2.5mmほど内側らしいので、3mmのプラスチック板と合わせると、6mmほど内側にスリットがあることになる。
厚さ3mmのプラスチック板には半径1.5mmmの穴が開いている。入射スリットは幅があるけれども、とりあえず、穴の中心の一点からで考えると、入射角度は14度ほど、NAは0.24程度となる。ということは、プラスチック板の穴に適当な拡散板を取り付ければ、入射NAは大体確保出来る事になる。

測定データをCSV形式で保存した物の一部を示す。これは、「縦波長」にチェックをいれたもの。チェックを忘れると、横方向に波長が連なったデータファイルとなる。
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不思議なのは、波長が整数単位で1nm刻みになっていること。使っている分光ユニットは340~850nmで288ピクセルなので、おおよそ1.8nm刻み。整数になるわけもないし、整数値の間に測定データがない状況も出現するはず。カラーコンパスが出している測定値は、何らかの補間操作を行ったもので、本当の生データではない。

このデータは、ダークを測定していない状態で書き出したもの。この出力からすると、ダークの初期値は0、ホワイトの初期値は4095となっている。ホワイトの初期値はA/Dが12ビットだからだろうという印象だ。

ダークの測定を行った状態では、ダークに測定値が入る。生データはダークがのった測定値となっている。正規化の値は生データをホワイトで割ったものを2000倍したものだけれども、すごく小さな値となっている。ということは、生データ(とホワイトから)ダークを引いた状態のもので演算をしているようだ。
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ダークを引くにチェックを入れると、保存されるデータはダークを引いた物となる。
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少しばかり不思議なのは、どの段階で差をとっているか。A/Dは12ビットのはずなので、単純には0~4095の値になる。その値で生データやダークを拾ってきて差をとると、ダークが800程度はあるので、最大値でも3200程度にしかならない気がする。でも、差をとる画面では4095までの表示が行われる。ということは、A/Dの前のアナログ状態でオフセットを引いているのかしらとも思うけれども、そうなると、本体のA/Dの前に差分演算があることになるけれども、それは少しばかり考えにくい気がする。何をやっているのだろうか。

なお、ダークの原因としては、読み込み時のオフセットやノイズと、測定時間に比例する成分があるはずかえれども、比例成分は他に比べると影響は小さいようで、測定時間を大幅に変えてもダークレベルは実質的に変わらないようだ。


ダークの測定を行わずにホワイト登録をすると、ダークの値は0のままホワイトに値が入る。この場合、正規化は下駄を履いたデータ同士で行われることになるため、まっとうな比率にはならない。

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ダークとホワイトの両方を測定して、ダークを引く設定をすると、生データとホワイトともダークを引いた値となり、この状態での正規化は正しい透過率となる。
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ダークとホワイトが測定してあっても、ダークを引く設定になっていないと生データもホワイトもダークがのった状況となる。しかし正規化はダークを引いた後に計算しているようで、値としてh正しい物になるようだ。

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このあたり、きちんとした取説が欲しいところだ。

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by ZAM20F2 | 2018-03-28 07:02 | 科学系 | Comments(0)

ezSpectra 815Vのフィルター補整効果

ezSpectraのソフトバージョンが1.8台から1.9台になって、フィルター補整が付け加えられた。マニュアルもそれにあわせて改訂されているので使い方はマニュアルを見て頂くとして、ここでは、それ以外の使った印象を紹介する。
フィルターは初期設定で、幾つかのNDフィルターが用意されている。ezSpectraを使って透過測定した結果をフィルターとして保存もできる。保存したテキストファイルをマイドキュメントの下に作られたezSpectraフォルダーの下のFiltersの中に入れると次回以降は選択できるようになる。
マニュアルによると、ユーザー設定のフィルターファイルは、その個体のみで有効とのことだけれど、これは、ezSpectraで使っている分光ユニットは個体毎に波長が微妙に違うためだと思う。実際、テキストファイルを見ると、分光ユニットのシリアル番号らしいものがあり、そして、波長も半端な数値ですべて書き込まれている。
楢ノ木技研さんの用意したフィルターファイルは、ユーザー設定のフォルダーには見当たらない。どこにあるかというとezSpectraのプログラムがあるフォルダーの下に作られたFiltersフォルダーに入っている。こちらは、200nmか300nmから1nm毎のデータファイルになっている。これらを別のフォルダーに移すと、フィルターの選択肢には入らないようになる。選択肢が多くて面倒と感じる場合にはファイルを移動すると良いだろう。
これらのファイルはテキストファイルなので、その気になれば、他の分光器で測定したデータを使って、独自にフィルターファイルを作れると思う。ただ、やってみた限りで、何かが悪いとまともに動作しない。ユーザー設定の方は、一応は使える物が出来たけれど、共通の方はうまく作れていない。

さて、フィルターを使うと何が良いのかを眺めてみよう。
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これは、フィルターなしで豆電球を測定したもの。400nmより短波長の迷光の浮き上がりがある。これに、近赤外を低下させる熱線フィルターを組み合わせてみる。
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これは、フィルター設定をいれたけれども、実際にはフィルターを入れていない状態。スペクトルが大きく歪んでいる。これに、実際にフィルターを入れて測定するとまっとうなスペクトルとなる。
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スペクトルの形状は問題なく、そして、400nmより短波長の浮き上がりが大きく抑制されている。浜松ホトニクスのマイクロ分光ユニットは近赤外光に弱いようなので、より正確なスペクトルが欲しかったら、熱線吸収フィルターとの組み合わせがお勧めで、フィルター補整を使えば、それでスペクトルが見えるので悪くないと思う。
ただ、フィルターを欠けた状態だと、測定時は、見た目の信号強度が小さくなる
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信号強度を上げようと、露光時間を長くするとスペクトルが歪む。
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最初に見た時は何が起こったのか分からなかったけれど、冷静に考えると、補整前の生データがオーバーフローを起こしているという話だ。
自動露光調整にしておくとオーバーフローすることなく、生データのマックスをあわせる形になるので、フィルター補整を使う時は、露光調整は自動にするのがお勧めのようだ。



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by ZAM20F2 | 2018-03-24 18:40 | 科学系 | Comments(0)

カラーコンパスPCF

追記:カラーコンパスPCFは改良版のカラーコンパスMFとなって販売終了しています。PCFの2018年製のものは有料でMFへのバージョンアップ可能のようです。手持ちのPCFはバージョンアップをお願いする予定で、バージョンアップした後に、改めて、バージョンアップ内容や使い勝手の変化を紹介します。(2018/8/4)
楢ノ木技研さんのezSpectra 815Vを見せびらかして遊んでいたら、秋月で浜松ホトニクスのマイクロ分光器を使った分光ユニットを3万円台で売っていると教えてくれた人がいた。
驚いてWebを見ると、確かに浜松ホトニクスのC12880MAを使ったUSB分光器を32200円で売っている。ATシステムという会社のカラーコンパスPCFという商品だ。

ATシステムのWebを見ると分光ユニットのお膝元にある会社でC12880MAを使ったカラーコンパスPCFとC12666MAを使ったカラーコンパスPCNを作っている。両方とも、定価は43200円なのだけれど、秋月の価格はそれより1万も安く、大丈夫だろうかと心配になってしまう。


ソフトはWindows用と、アンドロイド用(試作中)が提供されている。

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本体は非常にコンパクト。ラベルが貼ってあるのが見えるが、これは、使っているユニットのシリアル番号のようだ。本体とともに、波長校正データの係数を記載したシートが添付されていた。

初期の製品ではケースには受光部の穴が開いているだけだったようだが、現在の製品では、四角のプラスチック板がつけられている。きちんと計測していないが、ファイバーコネクタを取り付けられるようになっている気がする。ただし、本体側に集光光学系などはないので、素通しのコネクタを使ってファイバーを取り付けると、かなり効率が悪くなるだろうと思う。

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ソフトは非常に単純な作り。起動後にまず左上の検出をクリックして本体を呼び出す(自動認識ではない)。続いて右上の開始をクリックすると、測定が始まる。得られたデータを見て露光時間を手動で調整する。ただし、露光時間の値を変えても、一旦測定を停止してから再開しないと反映しないので、数値を入れて様子を見ながら最適の時間にすることは出来ない。

生データはものすごく下駄を履いている。光を入れない状態でダーク登録をして、ダークを引くをチェックすると、下駄は大体落とせる。

ホワイト登録は、透過測定などのリファレンス光の登録になる。表示モードに正規化があり、このモードでは、測定データをホワイト登録で除算した値が0~2の範囲で表示される気がする。

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この分光器で豆電球のスペクトル計測を行った。生データ1から3は配置を換えずに行った測定で測定結果に揺らぎがあることが分かる。拡散板は本体の前に拡散板を貼り付けて測定したもので、600nm付近のピークや700nmを中心に見られる構造が消失している。ezSpectraと同様に、きちんとNA0.2程度の光束を入れないと、分光器由来の構造が出現することが確認される。
測定の光源は豆電球を使っており、強度のピークは近赤外にある。測定データが600nm台で最大になっていると言うことは、この製品は波長毎の強度に関しては校正が行われていないことを示している。一応、浜松ホトニクスのWebに掲載されている典型的な強度分布を表示する機能はあるのだけれども、強度分布は個体差があるので、それを使って補整しても、スペクトル強度分布の正しさは保証されないだろうと思う。

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黄色いプラスチック板の透過測定を行ってみた。ホワイトがフィルターを入れない状態で、フィルターを入れた物が生データ。正規化が割り算の結果。測定の短波長側は、黄色フィルターで光が遮断されているはずだが、透過率が増えている。これは、分光ユニットの迷光の為で、どうやら、浜松ホトニクスのマイクロ分光ユニットに共通の事のようだ。


カラーコンパスPCFとezSpectra 815Vとでは、現時点で対象とする用途が異なっている印象が強い。ezSpectraの方は、単体としての測定器であるのに対して、カラーコンパスの方は、組み込みパーツ色が強い。

この点は両者の取り扱い説明書に如実に表れていて、ezSpectraの方は、かなりきちんとした説明書があるのに対して、カラーコンパスはマニュアルがないに等しい。ソフトのヘルプをクリックしても、バージョン情報が出てくるだけだ。

また、ソフトにしてもezSpectraの方は、起動するだけでスペクトル表示が行え、露光時間の自動調整機能もある。手動で露光時間を変えても、リアルタイムで結果に反映する。さらに、色温度や演色性評価指数もリアルタイム表示が可能だ。

ezSpectraは楢ノ木技研が波長/強度の校正作業を一台ずつ行っているので、可視波長域の光強度の測定が可能であるのに対して、カラーコンパスの方は、校正データを自分で用意しない限りは光強度の波長分布は正しくは得られない。LEDの発光波長を求める用途や、発光波長分布の狭い光源のスペクトル形状を求めるのには十分な能力を持っているけれども、可視域全域にわたるスペクトル強度評価は避けた方がよい。

透過や反射測定に関しては参照光源を用いた相対測定となるため、カラーコンパスでも問題なく行える。ただし、積算しないと、それなりの揺らぎが生じてしまう印象を持っている。一方のezSpectraは参照光が弱い領域では透過スペクトル測定をしない設定になっており、妙な結果がでないような配慮がなされている。もっとも、この親切さは、分かって使っている人にとっては、余計なお世話という面もある。

感度はカラーコンパスの方がezSpectaraに比べてかなり高い(露光時間の値が正しいなら、3桁ぐらい高い気がする)。本体のコンパクトさやケースにねじ穴があることなどから、たとえば顕微鏡に取り付けて顕微分光をするといった用途には、カラーコンパスの方が使いやすい気はする。

というわけで、現時点での使い分けとして、可視領域の光の強度分布も含めた測定がしたい場合には、標準電球が手元にあって、校正作業等も出来る人を除いてはezSpectraをお勧めする。一方、やりたいことが、LEDの点灯波長を測定するとか、透過測定を行うだけならカラーコンパスPCFでも問題ない。そして、とにかく感度が高い方がよいというならカラーコンパスPCFが選択肢となるだろう。


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by ZAM20F2 | 2018-03-21 13:34 | 科学系 | Comments(0)

ezSpectra 815Vを用いた顕微分光測定(セロテープ編)

前回は顕微鏡についているλ/4板と鋭敏色板(530nmリタデーション板)による透過スペクトルを出したのだけれど、セロテープを何枚か貼り合わせたスライドガラスが転がっていたので、テストついでに、それも測定してみた。セロテープの枚数はきちんと確認していないけれども、多分、1枚から7枚だろうと思う。まず、薄い方から
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これは、λ/4板と同じで、500nm台の窪みが気になる。一部下に凸っぽいけれども、この領域はなめらかに上に凸が正解のはずだ。400nmで底をうって、短波長で上がりかけているけれども、本当に400nmが底なのか、迷光のせいで、そのように見えているのかはこれだけでは判断つかない。
続いて2枚重ね。
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やっぱり500nm台のへっこみは気になる……。極小が725nmあたりなのは、問題啼くOKだと思う。顕微鏡の偏光子は、700nm台で2色比が悪くなって、漏れが出るようになるのだけれど、この結果ではきれいに0に到達しているので問題はないと思う。
そして、これが2枚重ねだとすると1枚の場合の極小は、屈折率分散を考えると725/2nmよりは少し長波長にあると推定される。実際、2枚重ねのものは、400nmでは極小になっていない訳で、これから1枚のものも400nmの極小は、本当ではないと結論して良さそうだ。
3枚重ねだと
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これは、ほぼ、2週目の鋭敏色付近という感じ。この後は枚数を重ねるにつれて、山の間隔が狭まっていく
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最後は7枚だと思う。
見てお解りのように、短波長の方が山の高さが低くなる。これはezSpectra 815Vのせいではなく、他の分光器を使ってもこうなる。おそらく、短波長の方が散乱が強いので、その影響だろうと思う。ベースが浮いてくるのも同様だ。
そして、枚数が増えてくると、見た目では500nm台の窪みは分からなくなっていく。でも、本来よりも凸度が少ないはず。

今回の測定では、画面内でどの場所を測定しているかは、きちんとチェックしていない。測定範囲をきちんと限定するのには、入射スリット(または、その前におく拡散板)をきちんと結像位置に合わせておく必要がある。10倍の対物レンズを使って直焦点で測定することを考えると、スリットサイズが50×500ミクロンなので、5×50ミクロン領域のスペクトルが測定できるはず。拡散板については、取り付け方によるけれども、今は3mm角ぐらいの幅担っているので、0.3mm角ぐらいの領域が測定できることになる。もちろん、照明領域を絞れば、より狭い範囲の測定が可能だ。というか、分光測定をするなら、きちんとケラー照明にして、照射範囲を限定して行うのが筋というのは、古く小穴さんお論文に書いてある話だ。

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by ZAM20F2 | 2017-10-14 09:55 | 科学系 | Comments(0)

ezSpectra 815Vを用いた顕微分光測定

ここのところ、ezSpectra 815Vの記事がないのは、一通りは遊んで癖はだいたい分かった気になっていて、新しいことをしていないためだ。今後は、知り合いの学校の先生などに見せびらかして遊ぼうと思っているのだけれど、そうなると、ブログで情報が非系統的に上がっているよりは、どこかに、系統的に纏めて出しておいた方が良いような気もしている。
さて、新しいことはしていないけれど、大分前に偏光顕微鏡に取り付けて測定を行っていたので、その結果を出すことにする。
偏光顕微鏡は、有限系の古いもの。直焦点でCマウントが取り付けてあるところにmtテープでezSpectra 815Vを仮固定した。角度は検光子に対して45度程度にしている。なお、拡散板は非装着である。
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拡散板をつけていないのでベースのスペクトルはでこぼこがある。ベースのスペクトルは検光子固定で偏光子を90度回転している。350nmあたりが浮き上がっていないのは、顕微鏡には熱線カットフィルターがついていて、長波長側をカットしているためだと思う。

この状態で、λ/4板を測定した結果。
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続いて鋭敏色板の測定結果。
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両方とも凸凹していて、まともに測定できている気がしない。大昔にこの世代の顕微鏡筒で分光測定を試みた時は、顕微鏡鏡筒で何らかの干渉による凸凹がのって、それがベースと測定で割り切れずに、まともな測定ができなかった記憶がある。
今回は、割り切れないかなぁと思っていたのだけれど、透過測定モードにすると、結構まっとうなスペクトルが出てくる。
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λ/4板の結果は、長波長にむけてなめらかに減少している。500-550nmの間の窪みは、測定上の問題なのだけれども、全体に、まあまあよく取れいているレベルだと思う。、

鋭敏色板は、もっともっともらしいスペクトルになっている。
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鋭敏色の方は両端が100%を超えているけれども、これは、愛嬌というレベル。
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by ZAM20F2 | 2017-10-09 09:34 | 科学系 | Comments(3)

ezSpectra 815Vで分光光度計を作ってみる(Ⅵ)

分光光度計1号も基本構成は0号とほぼ同じだけれども、フィルターホルダーが新たに付け加わっている。フィルターホルダーといっても、機械的にフィルターを押さえるのではなく、mtテープでフィルターを貼り付けているだけではあるけれども。
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フィルターは、今回はマルミの80Aを用いている。ケンコーからマルミに変えたのは、マルミのフィルターの方がフィルターガラスを湧くから取り外しやすかったからだ。前にも記したように、マルミフィルターの方が在庫限りっぽいけど安価なので、その点も魅力だ。

フィルターホルダーのところを見ると、マルミの円形のフィルターの他に、もう一つ角形のフィルターが使われている。これは……、熱線吸収フィルターでHoyaでいうところのHRの何かだ。何故、このフィルターを入れているかというと、ケンコーのものでも、マルミのものでも、近赤外あたりの透過率は低くないみたいで、短波長側の迷光が、比較的強く残ってしまうためだ。この迷光のために、短波長側の吸光度は1未満で飽和してしまう。これは、分光光度計としては、さすがに情けないので、近赤外を落とすフィルターを入れている。

熱線吸収フィルターは、一応、Web上からも購入可能だけれども、安価とは言えず使うのには、ためらいもあり、代替品は探しているのだけれども、現時点で、適当な代替品は見つからず、これしかないのかなぁと思っている。

キュベットホルダーは、前後を厚さ2mm程度の紙板ではさんで安定性を増した。また、キュベットホルダーと分光器の間を黒色発泡ポリエチレン板を丸めた覆いで囲うようにして室内からの迷光を低減している。
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この項目の前回のエントリーでは分光器と下板を収納したところをあげた。分光器だけだったら、あの大きさの容器に収まるのだけれど、キュベットやら、蛍光測定の付属品などを一緒に納めることを考えると、本体格納の倍程度の大きさの容器が欲しくなる。
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そんな容器に収めた様子。レイメイの顕微鏡が入っているけれども、これは、蛍光測定の光源として入っている。さすがに、顕微分光を行うのは、この一式では容易ではない。ちゃんと蓋だって閉じられる。
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この箱とノートPCがあれば、屋外でも十分に測定可能だ。

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by ZAM20F2 | 2017-09-13 19:49 | 科学系 | Comments(0)

ezSpectra 815Vで分光光度計を作ってみる(Ⅴ)

分光光度計の試作1号(実質2台目)。
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設計方針は試作0号と同じなのだけれど、全長を10cnm程度短くしている。作ってみた結果として、25cmも必要がないことが分かったことと、持ち運び時に使おうと思っていたケースのサイズにあわせたもの。
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これがケースに入れた様子。試作0号とのもう一つの違いは、試作0号では分光器を押さえるブロックが分光器と同程度の高さで、そのままではケースには入らないので、後ろ側の押さえと同じ高さまで低くしたこと。
電球は、相変わらず豆電球を使っている。
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豆電球を使っていると、小学校の夏休みの工作感が漂ってしまうのだけれど、実際、小学生でも可能な工作技術しか使っていないので、ご指摘ごもっともという感じだ。


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by ZAM20F2 | 2017-09-10 15:26 | 科学系 | Comments(0)

ezSpectra 815Vで蛍光測定をしてみる

ezSpectra 815Vで分光光度計を組み立てようと思ったのは、高等学校に紹介することを考えてなんだけれど、ふと、高等学校相手の教材屋さんはどんな品をそろえているのかと思い、某商社のWebカタログを眺めてみた。
一昔前に比べると、簡易な分光器が増えていて、ezSpectra 815VのOEM先と思われる品もカタログに上がっているのだけれど、その中で目についたのは、光源もついていて、透過スペクトルの他、光源を横照射にすると蛍光測定ができるものだった。まあ、20万以上するので、ezSpectra 815Vの直接競合とはならないのだけれど、測定例としてローダミンの蛍光スペクトルが載っているのを見ると、作っているやつでも、蛍光測定を試してみたくなる。

蛍光色素は、成分は分からないけれど、オレンジ色の蛍光ペンの補充インクを用いた。キュベットに適当な濃度で入れて吸収スペクトルをとりあえず測定する。
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これを見ると、550nm程度より短波長の光なら励起に問題はなさそうだ。さて、励起光現だけれども、ここは、MWSさんおすすめのレイメイ藤井のRXT203を使うことにする。この品、通常のLEDの他に蛍光観察用のLEDもついているのだ。

蛍光測定では、試料からの発光をなるべく集光して分光器に導く必要がある。透過スペクトル測定では、光源からの光をレンズ1枚で、平行に近い光にして検出器に送っているけれども、蛍光測定では、2枚目のレンズを用意して、最初のレンズで平行にした光を2枚目のレンズで検出器に絞り込むことが、収差を減らす点からも望ましい。

というわけで、こちらもMWSさんおすすめの100均のLED懐中電灯をもう一台分解して、レンズを取り出した。光学系の調整は豆電球で行い。豆電球を外して、そこにキュベットをおいて、側面から蛍光観察用のLEDで照らしている。
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とりあえず測定したのを見ると、励起光もハッキリと見えている。どうやら、蛍光観察用のLEDは紫外LEDではなく紫LEDであったようだ(380nmまでは可視領域だ)。

蛍光測定では、励起光を遮断するために、短波長カットフィルターを入れる。上のスペクトルを見る限りでは、写真用の黄色フィルターがよさそうな感じだ。というわけで、写真用黄色フィルターを間に入れてみた。
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励起光は完全に落ちて、蛍光が綺麗に見えている。500nmに弱い発光があるけれども、これが実際の蛍光か、何らかの原因によるものかは、ちょっと分からない。

それにしても、蛍光色素を使ったとはいえ、すごく簡単なセットアップで蛍光が測定できちゃうとは思わなかった。紫外(365nm)のコンパクトな懐中電灯も入手しやすくなっているので、透過スペクトルに加えて発光スペクトルも測定できるようにしておこうかと思案している。





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by ZAM20F2 | 2017-08-29 21:26 | 科学系 | Comments(0)