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変換アダプタ

前のエントリーで出した温調はコンピュータとの接続がRS-485だったけれども、実験室などで使われる装置はRS-232Cでの接続が多かった。コンピュータにはRS-232Cでの接続が出来るシリアル通信用のポートがあるのが普通で、特にボードなどを買ってこなくても、そのまま接続できていた。ただ、RS-232Cのケーブルにはストレートケーブルとクロスケーブルがあり、間違えるとまっとうには接続できない。RS-232Cを使ったことのある人は、一度くらいはストレートとクロスで嵌まったことがあるのではないかと思う。
前回の話、温調からすでにRS-232Cのケーブルが出ていて、そこに、さらにケーブルをつなぐのも間抜けだなぁなどと思って、探してみたら、クロス変換アダプタがあったので、思わず買いに走った次第だ。
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真中がクロス変換。でその傍に転がっていたオス-オス、メス-メスアダプタも一緒に買い込んでしまった。市販の装置では、必要になることは少ないけれども、誰かが作った装置だと、これがないと途方にくれることがある。もちろん、今すぐ必要ではなかった品で、こうして、いつか使うかもしれない当面は役に立たないものがたまっていく。

それにしても、少し考えればクロス変換アダプタがありそうなのは思いついて良いことなのに、いままで、ストレートとクロスのケーブルを別々に備えていたのはアホだったなぁとしみじみと思っている。
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by ZAM20F2 | 2018-07-05 07:48 | 科学系 | Comments(0)

エラー歓迎

だいぶ前にネットオークションで入手した温調。
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コンピュータとの通信が出来るのは分っていたのだけれど、繋ぐ必然が低く放置していた。1つには、RS485を使ったことがなく、ケーブルの配線をどうしたものかなぁというあたりで悩んでいたのだけれど、Webで調べてみたら、安価なUSB-RS485変換器がごろごろ転がっていて、しかも、485側は結線が3本しかない。いや、D-Subの9ピン使うんだろうなぁとめんどくさがっていたのだけれど、3本しかなく、しかも、半田付なしに取付けられるなら話は別だ。

というわけで、USB-RS485変換アダプタを買込んで繋いでみた。言語はエクセルを通して、オフィスについているVBAを使っている。今の世の中、好き嫌いは別として、たいていのコンピュータにはMSのオフィスが入っているので、それで動くものがあれば、なかなかに汎用性が高くなる。ただ、そうなると、VBAからRS系に繋がなければならないのだけれど、そのためのプログラムは(開発と正式なサポートはされていなけれど)Webで見つかるので、ハードルは随分と低くなる。

とはいえ、この手のこと、繋がるまでが一仕事だ。見た目は繋がった状態になって、PC側から信号を送ったつもりでも応答がないとなると、考えられる原因が多すぎて途方にくれる。考えられる原因を列挙すると
○変換アダプタのドライバが不適合を起していて、まともに動作していない
○変換アダプタは動いているけれども、相性がわるい
○通信設定にミスがあって読めていない
○配線に間違いがある
○送るべき信号が間違っていて、応答が返ってきていない
○装置の通信系が壊れている
ぐらいはすぐにあがってくる。さらに、これらの複合もあり得るわけで、繋がるまでの道のりは平坦ではない。

実は、これの前に、別のものでRS-232C接続を試みていて、最初はノートPCからUSB-RS232Cアダプタを介して試みていたのだけれど、まったく繋がらず、COMポートのあるデスクトップを使ってみて、さらに、メーカーのサイトにあった接続プログラムを拾ってきて試しても応答なく……、こうなったら、RS-232Cでよくあるリバースケーブルだろうと、リバースアダプタを買ってきて間に入れたら、ようやくエラーコードが戻ってきた。

エラーコードが戻ってくれば繋がっているので、動作しない理由は
○送るべき信号が間違っていて、まともな応答が返ってきていない
に限定できる。話が一気に簡単になる。
ちなみに、今回のRS-485のやつ、最初は応答がなかったのだけれど、配線を逆にしたら、エラーメッセージが出るようになった。気分的には、その時点で出来たも同然となる。

※コンピュータと繋ぐには、一定割合で降温させたりしたいためなんだけれど、それをやると、温調の目標温度を数秒毎に書換えていく作業となる。この手の温調の目標温度は、不揮発性メモリに保存されるのだけれど、その書換え回数には制限がある。この温調は0.1℃単位なので、10℃変化で100回の書換えですむけれども、0.01℃刻みの品だと1000回となってしまう。書換え可能回数は機種によるけれども、10万回なんて機種もあり、それだと、100回で限界に達してしまう。このため、機種によっては、書換え内容を不揮発性メモリに保存しないようにするモードも用意されているのだけれど、この温調はマニュアルを見た限りではそれは出来なそう。

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by ZAM20F2 | 2018-07-03 07:38 | 科学系 | Comments(0)

そのカッター、刃を出し過ぎです

赤いキノコの本の数冊横にあって、ついでに買われてきた本。肥後の守を含むナイフが教育効果あるよね系の本で、まあ、ある意味予想どおりの内容。ただ、出てくる刃物は肥後の守やアーミーナイフ、鉈などで、カッターナイフは使用例としては出てこない。その点はまっとう。
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一つ、なるほどと思ったのは、子供に肥後の守を使わせている小学校の話。その導入を行った校長先生は、時間をかけて親を説得して導入を果たし、そのときに、子供に向かって、「鉛筆を削るためのナイフで悪ふざけをして、もし友達を傷つけてしまうようなことが起こったときは、校長先生は学校をやめなくてないけません。ナイフというものは危ないものですが、でも、あえて皆さんには使って欲しい。」と語りかけたそうだ。本当に責任をとる覚悟のある大人の言葉は、子供も重大に受け止める。

ところで、このブログで昔に、中学生向けの自由研究の本に、刃を出しすぎのカッターの使い方が出ていると晒したことがあるけれども、どうやら、その本には悪い手本があったのではないかという気になりつつある。

その悪い手本の1冊がこれ。
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そこら辺の本屋には置いておらず、神保町に行ったのは、この手の本を入手するため。最初の方に、ルーペの使い方なんかが書いてあるのは悪くはない。ルーペを目に近づけて持つのは大人にも、あんまり知られていないこと。現場でどれだけ実践されているかはともかく正しいことが書いてある。
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で、悪い手本の部分はというと、カッターナイフの使用例。
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これは、明らかに刃先の出し過ぎだ。これ以外の似たような本も見たけれども、そちらでも刃先が出し過ぎの図がある。これらの本、一応、
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と、お役所が内容をチェックしたことになっている。ということは、お役所からして、カッターナイフの危険な使い方を推奨していることになる。

この本には、何カ所か同じようなカッターナイフの使用例が出てくるけれども、薄片を作る場面では、さすがにカミソリを使うことになっている(同種の別の本では、その場面でカッターナイフの刃をホルダーから取出した状態で使う絵になっていた)。図を見ると、カミソリの反対側は、テープか何かでカバーをしてそちら側の刃で手を切らないようにしているように見える。カミソリの刃に注意という文言はあるのだけれども、何をつかって、どのように処理をしているのかの説明はない。カミソリの刃に注意なんて書くより、具体的に、何をすべきかを記すのがより重要なはずだ。責任をとる気のない大人のアリバイ作りというのは、間が抜けていて見苦しいだけのものだ。

子どもの刃物場慣れを心配する前に、生物学教育者の刃物離れを心配した方が良さそうな状況だ。

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by ZAM20F2 | 2018-05-27 13:58 | 文系 | Comments(0)

少し違う

ホットステージを使う場合は、超長作動の対物レンズが必要になるのだけれど、当然のように、コンデンサの方も長作動のものが必要となる。ところが、ニコンさんの正立用の長作動コンデンサの作動距離は10mmしかない。某M社のホットステージも、自作のホットステージも試料面まで15mm程度はあるので、作動距離が足りない。米国の液晶研究者が起こした企業さんでは、作動距離が20mmでニコンにもオリンパスにも装着できるコンデンサを売っているのだけれど、新品は手に届く値段ではないし、ネットオークションに出てくるのは見たことない。こんな話を顕微鏡に詳しい人に話したら、ニコンの倒立顕微鏡用の長作動コンデンサが正立にも装着可能と教えてくれた。
幸い、こちらはネットオークションにも出ることがあるので、入手して便利に使っていたのだけれど、当然のように予備が欲しいなぁと思っていたら、少し前にオークションに出ているよと教えてもらって、めでたく2つめが手元にやってきた。
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眺めると、一方はPhase Contrastで、新しく来たのはPhase Contrast-2。違いは何かと眺めてみると初代はPh-LからPh-3とO、Aのターレットだけれど、2代目はOがなくなってPh-4がついていた。それ以外に、位相差の部分を眺めてみると
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初代が完全なリングなのに対して、2代目名は
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3カ所の支えが着いている。少し角度をかえると、2代目は
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リングの間には何もなく穴であるのに対して、初代は
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ガラス板に遮光板が取り付けられた構造になっている。
比べてみると、初代の方がコストがかかる作りになっているような印象。あるいは、単に、2代目で使われているような打ち抜きが出来なかったせいかもしれないのだけれど、ニコンの顕微鏡の変化の流れを見ていると、2代目の方が低コストなんじゃないかと感じてしまう。

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by ZAM20F2 | 2018-05-10 08:46 | 顕微系 | Comments(0)

C12666MAとC12800MAの感度を考える

ezSpectraはC12666MAをカラーコンパスPCFはC12880MAを使っている。両者で何が違うのかと言えば、浜松ホトニクスのカタログでは、C12666MAが高ダイナミックレンジ、C12880MAが高感度とされている(それ以外にC12880MAの方が長波長まで測定できるといった違いもある)。C12800MAは内部に増幅器を持っていて信号を増幅しているらしい。ただし、両方の感度に関する情報はなく、どの程度高感度で、どの程度ダイナミックレンジが広いのかはカタログを眺めてもよくわからない。

ところで、そのカタログにある測定出来る入射光量範囲を見てみると、C12880MAが3E×10-14~1×10-6であるのに対して、C12666MAは3.5×10-13~3×10-7となっている。C12880MAの方が測定可能範囲が広いわけで、単純に考えると、C12880MAの方がダイナミックレンジも広いのではないかと思われる状況になっている。
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ただ、カタログを見ると、測定出来る入射光量範囲は、それぞれのデバイスの設定可能な蓄積時間から算出していると記してある。設定可能な蓄積時間は両者で異なるとされているのだけれども、その範囲については明示的には示されていない。

ただ、浜松ホトニクス製の評価ボードのスペックとして、C12666MAに対応するものは5ミリ秒から10秒となっており、C12800MAの方は、0.011ミリ秒から100もしくは1000ミリ秒となっている(カタログにより異なる。単体のカタログは1000ミリ秒になっている。)。他にデータがないので、これを設定可能な蓄積時間として考えることにする。

すると、光量範囲の最大値は、最小蓄積時間、最小値は最大蓄積時間に対応するはずである。そこで、最小と最大を蓄積時間10ミリ秒にした場合にどのような値になるかを計算することにする。このときの最小値は、測定可能な最小電荷で、最大値が飽和電荷になると考えられる。両者の比がダイナミックレンジになるはずだ。

C12666MAの方は、10秒で3.5×10-13なので、10m秒だと3.5×10-10が最小値となる。最大値は5ミリ秒で3×10-7なので、10ミリ秒だと、1.5E×10-7となる。一方のC12800MAは、最大蓄積時間を100ミリ秒とすると、最小値は3×10-13、1000ミリ秒なら3×10-12となる。最大値は、0.011ミリ秒で1×10-6なので、1.1×10-9となる。まとめると、
C12666MA 3.5×10-10~1.5×10-7
C12800MA 3×10-12(3×10-13)~1.1×10-9
となる。最大値と最小値の比をとると、C12666MAは430、C12800MAは370程度となる。なお、C128000MAについては、最大蓄積時間を100ミリ秒とすると、比率は3700になってしまうのだけれど、これは、さすがに値が大きすぎるので、1000ミリ秒を用いた値としている。

この計算にどの程度の正当性があるのか分からないけれども、一応、C12666MAの方が15%程度ダイナミックレンジが広いことになる。高ダイナミックレンジというには、差が少ない気もする。
ただ、前にも記したけれど、C12800MAを使ったカラーコンパスPCFは測定データが揺らぐのだけれども、これはC12800MA本体の特性が絡んでいるようだ。

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by ZAM20F2 | 2018-04-03 07:25 | 科学系 | Comments(0)

カラーコンパスPCFの飽和値について

カラーコンパスPCFは12ビットのA/Dを使っている事になっているが、表示されるグラフの最大値は4100程度であるにも関わらず、各波長の強度データは小数点以下の数値がある。この点は、前に記したように、本来は、整数波長ではない横軸を整数波長毎の値にするときの補間計算により生じた物なのだろうと思える。

ただ、ダークが800程度あるにも関わらず、ダークを引いた値の強度データが3300を平然と超えるのは腑に落ちない点であった。差引き後の値が3300より大きくてもスペクトルが歪まないのなら、信号強度の最大値は4095ではなく、より大きな値でなくてはならないからだ。

そこで、わざと露光時間を長くして、スペクトルの所々が画面を超えるような状況の測定を行った。ダークを引いていないものでは、飽和値は8000程度となっている。一方、ダークを引いたものは、最大値が7200程度で、8000からダークの800程度の値を引いたところで飽和している。
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この結果を見ると、カラーコンパスPCFの飽和レベルは、8000程度であることになるのだけれど、そうなるとA/Dが12ビットであることや、ホワイトの初期値を4095としていることなどとの間に齟齬が生じてしまう。8000までの値を扱うなら13ビット欲しいはずで、それを12ビットで処理していたら、強度は2単位での変化となってしまう。

まあ、分光器の使い勝手としては、フルスケールを超えたとたんに信号が飽和するよりも、ある程度の余裕があった方が有難いのはたしかではある。でも、フルスケールの倍まで余裕があるとなると、少しばかりだまされた気分となる。何しろ、現状では4000を11ビットで扱っていることになるので、最小分解能は1/4000ではなく1/2000とA/Dからの思い込みの半分になってしまっているのだから。




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by ZAM20F2 | 2018-04-01 14:58 | 科学系 | Comments(0)

カラーコンパスPCFの保存ファイルの内容

カラーコンパスの入射光部分には厚さ3mmのプラスチック板が取り付けてある。
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これを外すと分光ユニットが顔を出す。
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周囲の板より0.5mmほど奥まった位置に分光ユニットの前面がある。スリットの位置は分光ユニット前面から2.5mmほど内側らしいので、3mmのプラスチック板と合わせると、6mmほど内側にスリットがあることになる。
厚さ3mmのプラスチック板には半径1.5mmmの穴が開いている。入射スリットは幅があるけれども、とりあえず、穴の中心の一点からで考えると、入射角度は14度ほど、NAは0.24程度となる。ということは、プラスチック板の穴に適当な拡散板を取り付ければ、入射NAは大体確保出来る事になる。

測定データをCSV形式で保存した物の一部を示す。これは、「縦波長」にチェックをいれたもの。チェックを忘れると、横方向に波長が連なったデータファイルとなる。
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不思議なのは、波長が整数単位で1nm刻みになっていること。使っている分光ユニットは340~850nmで288ピクセルなので、おおよそ1.8nm刻み。整数になるわけもないし、整数値の間に測定データがない状況も出現するはず。カラーコンパスが出している測定値は、何らかの補間操作を行ったもので、本当の生データではない。

このデータは、ダークを測定していない状態で書き出したもの。この出力からすると、ダークの初期値は0、ホワイトの初期値は4095となっている。ホワイトの初期値はA/Dが12ビットだからだろうという印象だ。

ダークの測定を行った状態では、ダークに測定値が入る。生データはダークがのった測定値となっている。正規化の値は生データをホワイトで割ったものを2000倍したものだけれども、すごく小さな値となっている。ということは、生データ(とホワイトから)ダークを引いた状態のもので演算をしているようだ。
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ダークを引くにチェックを入れると、保存されるデータはダークを引いた物となる。
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少しばかり不思議なのは、どの段階で差をとっているか。A/Dは12ビットのはずなので、単純には0~4095の値になる。その値で生データやダークを拾ってきて差をとると、ダークが800程度はあるので、最大値でも3200程度にしかならない気がする。でも、差をとる画面では4095までの表示が行われる。ということは、A/Dの前のアナログ状態でオフセットを引いているのかしらとも思うけれども、そうなると、本体のA/Dの前に差分演算があることになるけれども、それは少しばかり考えにくい気がする。何をやっているのだろうか。

なお、ダークの原因としては、読み込み時のオフセットやノイズと、測定時間に比例する成分があるはずかえれども、比例成分は他に比べると影響は小さいようで、測定時間を大幅に変えてもダークレベルは実質的に変わらないようだ。


ダークの測定を行わずにホワイト登録をすると、ダークの値は0のままホワイトに値が入る。この場合、正規化は下駄を履いたデータ同士で行われることになるため、まっとうな比率にはならない。

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ダークとホワイトの両方を測定して、ダークを引く設定をすると、生データとホワイトともダークを引いた値となり、この状態での正規化は正しい透過率となる。
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ダークとホワイトが測定してあっても、ダークを引く設定になっていないと生データもホワイトもダークがのった状況となる。しかし正規化はダークを引いた後に計算しているようで、値としてh正しい物になるようだ。

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このあたり、きちんとした取説が欲しいところだ。

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by ZAM20F2 | 2018-03-28 07:02 | 科学系 | Comments(0)

ezSpectra 815Vのフィルター補整効果

ezSpectraのソフトバージョンが1.8台から1.9台になって、フィルター補整が付け加えられた。マニュアルもそれにあわせて改訂されているので使い方はマニュアルを見て頂くとして、ここでは、それ以外の使った印象を紹介する。
フィルターは初期設定で、幾つかのNDフィルターが用意されている。ezSpectraを使って透過測定した結果をフィルターとして保存もできる。保存したテキストファイルをマイドキュメントの下に作られたezSpectraフォルダーの下のFiltersの中に入れると次回以降は選択できるようになる。
マニュアルによると、ユーザー設定のフィルターファイルは、その個体のみで有効とのことだけれど、これは、ezSpectraで使っている分光ユニットは個体毎に波長が微妙に違うためだと思う。実際、テキストファイルを見ると、分光ユニットのシリアル番号らしいものがあり、そして、波長も半端な数値ですべて書き込まれている。
楢ノ木技研さんの用意したフィルターファイルは、ユーザー設定のフォルダーには見当たらない。どこにあるかというとezSpectraのプログラムがあるフォルダーの下に作られたFiltersフォルダーに入っている。こちらは、200nmか300nmから1nm毎のデータファイルになっている。これらを別のフォルダーに移すと、フィルターの選択肢には入らないようになる。選択肢が多くて面倒と感じる場合にはファイルを移動すると良いだろう。
これらのファイルはテキストファイルなので、その気になれば、他の分光器で測定したデータを使って、独自にフィルターファイルを作れると思う。ただ、やってみた限りで、何かが悪いとまともに動作しない。ユーザー設定の方は、一応は使える物が出来たけれど、共通の方はうまく作れていない。

さて、フィルターを使うと何が良いのかを眺めてみよう。
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これは、フィルターなしで豆電球を測定したもの。400nmより短波長の迷光の浮き上がりがある。これに、近赤外を低下させる熱線フィルターを組み合わせてみる。
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これは、フィルター設定をいれたけれども、実際にはフィルターを入れていない状態。スペクトルが大きく歪んでいる。これに、実際にフィルターを入れて測定するとまっとうなスペクトルとなる。
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スペクトルの形状は問題なく、そして、400nmより短波長の浮き上がりが大きく抑制されている。浜松ホトニクスのマイクロ分光ユニットは近赤外光に弱いようなので、より正確なスペクトルが欲しかったら、熱線吸収フィルターとの組み合わせがお勧めで、フィルター補整を使えば、それでスペクトルが見えるので悪くないと思う。
ただ、フィルターを欠けた状態だと、測定時は、見た目の信号強度が小さくなる
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信号強度を上げようと、露光時間を長くするとスペクトルが歪む。
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最初に見た時は何が起こったのか分からなかったけれど、冷静に考えると、補整前の生データがオーバーフローを起こしているという話だ。
自動露光調整にしておくとオーバーフローすることなく、生データのマックスをあわせる形になるので、フィルター補整を使う時は、露光調整は自動にするのがお勧めのようだ。



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by ZAM20F2 | 2018-03-24 18:40 | 科学系 | Comments(0)

カラーコンパスPCF

楢ノ木技研さんのezSpectra 815Vを見せびらかして遊んでいたら、秋月で浜松ホトニクスのマイクロ分光器を使った分光ユニットを3万円台で売っていると教えてくれた人がいた。
驚いてWebを見ると、確かに浜松ホトニクスのC12880MAを使ったUSB分光器を32200円で売っている。ATシステムという会社のカラーコンパスPCFという商品だ。

ATシステムのWebを見ると分光ユニットのお膝元にある会社でC12880MAを使ったカラーコンパスPCFとC12666MAを使ったカラーコンパスPCNを作っている。両方とも、定価は43200円なのだけれど、秋月の価格はそれより1万も安く、大丈夫だろうかと心配になってしまう。


ソフトはWindows用と、アンドロイド用(試作中)が提供されている。

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本体は非常にコンパクト。ラベルが貼ってあるのが見えるが、これは、使っているユニットのシリアル番号のようだ。本体とともに、波長校正データの係数を記載したシートが添付されていた。

初期の製品ではケースには受光部の穴が開いているだけだったようだが、現在の製品では、四角のプラスチック板がつけられている。きちんと計測していないが、ファイバーコネクタを取り付けられるようになっている気がする。ただし、本体側に集光光学系などはないので、素通しのコネクタを使ってファイバーを取り付けると、かなり効率が悪くなるだろうと思う。

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ソフトは非常に単純な作り。起動後にまず左上の検出をクリックして本体を呼び出す(自動認識ではない)。続いて右上の開始をクリックすると、測定が始まる。得られたデータを見て露光時間を手動で調整する。ただし、露光時間の値を変えても、一旦測定を停止してから再開しないと反映しないので、数値を入れて様子を見ながら最適の時間にすることは出来ない。

生データはものすごく下駄を履いている。光を入れない状態でダーク登録をして、ダークを引くをチェックすると、下駄は大体落とせる。

ホワイト登録は、透過測定などのリファレンス光の登録になる。表示モードに正規化があり、このモードでは、測定データをホワイト登録で除算した値が0~2の範囲で表示される気がする。

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この分光器で豆電球のスペクトル計測を行った。生データ1から3は配置を換えずに行った測定で測定結果に揺らぎがあることが分かる。拡散板は本体の前に拡散板を貼り付けて測定したもので、600nm付近のピークや700nmを中心に見られる構造が消失している。ezSpectraと同様に、きちんとNA0.2程度の光束を入れないと、分光器由来の構造が出現することが確認される。
測定の光源は豆電球を使っており、強度のピークは近赤外にある。測定データが600nm台で最大になっていると言うことは、この製品は波長毎の強度に関しては校正が行われていないことを示している。一応、浜松ホトニクスのWebに掲載されている典型的な強度分布を表示する機能はあるのだけれども、強度分布は個体差があるので、それを使って補整しても、スペクトル強度分布の正しさは保証されないだろうと思う。

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黄色いプラスチック板の透過測定を行ってみた。ホワイトがフィルターを入れない状態で、フィルターを入れた物が生データ。正規化が割り算の結果。測定の短波長側は、黄色フィルターで光が遮断されているはずだが、透過率が増えている。これは、分光ユニットの迷光の為で、どうやら、浜松ホトニクスのマイクロ分光ユニットに共通の事のようだ。


カラーコンパスPCFとezSpectra 815Vとでは、現時点で対象とする用途が異なっている印象が強い。ezSpectraの方は、単体としての測定器であるのに対して、カラーコンパスの方は、組み込みパーツ色が強い。

この点は両者の取り扱い説明書に如実に表れていて、ezSpectraの方は、かなりきちんとした説明書があるのに対して、カラーコンパスはマニュアルがないに等しい。ソフトのヘルプをクリックしても、バージョン情報が出てくるだけだ。

また、ソフトにしてもezSpectraの方は、起動するだけでスペクトル表示が行え、露光時間の自動調整機能もある。手動で露光時間を変えても、リアルタイムで結果に反映する。さらに、色温度や演色性評価指数もリアルタイム表示が可能だ。

ezSpectraは楢ノ木技研が波長/強度の校正作業を一台ずつ行っているので、可視波長域の光強度の測定が可能であるのに対して、カラーコンパスの方は、校正データを自分で用意しない限りは光強度の波長分布は正しくは得られない。LEDの発光波長を求める用途や、発光波長分布の狭い光源のスペクトル形状を求めるのには十分な能力を持っているけれども、可視域全域にわたるスペクトル強度評価は避けた方がよい。

透過や反射測定に関しては参照光源を用いた相対測定となるため、カラーコンパスでも問題なく行える。ただし、積算しないと、それなりの揺らぎが生じてしまう印象を持っている。一方のezSpectraは参照光が弱い領域では透過スペクトル測定をしない設定になっており、妙な結果がでないような配慮がなされている。もっとも、この親切さは、分かって使っている人にとっては、余計なお世話という面もある。

感度はカラーコンパスの方がezSpectaraに比べてかなり高い(露光時間の値が正しいなら、3桁ぐらい高い気がする)。本体のコンパクトさやケースにねじ穴があることなどから、たとえば顕微鏡に取り付けて顕微分光をするといった用途には、カラーコンパスの方が使いやすい気はする。

というわけで、現時点での使い分けとして、可視領域の光の強度分布も含めた測定がしたい場合には、標準電球が手元にあって、校正作業等も出来る人を除いてはezSpectraをお勧めする。一方、やりたいことが、LEDの点灯波長を測定するとか、透過測定を行うだけならカラーコンパスPCFでも問題ない。そして、とにかく感度が高い方がよいというならカラーコンパスPCFが選択肢となるだろう。


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by ZAM20F2 | 2018-03-21 13:34 | 科学系 | Comments(0)

楔型検板

だいぶ昔に物珍しさにつられて入手した楔型検板。使う当てもなく保存されていたのだけれど、少し前に、「こんなこともあろうかと、用意していたんだ」などという科白出てくる状況が訪れ、他の人に、やっている内容を説明するのに、楔型検板が知られていない存在だから、どういうものかを示す必要があり撮影することにした。
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これは、偏光板の上において、カメラに偏光フィルターをつけての撮影。
周囲が暗すぎるかなとおもって、MTの灰色のテープを貼ってみた物。
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このような経験を経て、不必要としか思えない部品が増殖していく……。
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by ZAM20F2 | 2018-03-13 07:28 | 顕微系 | Comments(0)