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20世紀のディスプレイ

20世紀を代表するのディスプレイというと、CRTになるのだろうけれども、ここで取り上げるのは、1980年代に開発が始まり、90年代には商品化されたけれど、21世紀を待たずに市場から消えていったキヤノンの強誘電性液晶ディスプレイである。
まず、実物をご覧いただこう。もはや、世界でも動く物は、それほどは多くはないのではないかと思う。
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もっとも、この品にしても左側のエッジ付近は表示が悪化していて、その領域はだんだんと広がりつつはある。
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このディスプレイが生き残れなかったのには、いくつかの理由がある。おそらく、最大の理由は、TFTプロセスの歩留まり向上と価格低下が予想以上に進んだこと。2番目の理由は、中間調の表示が悪く、写真などの表示には適していなかったこと。
写真を表示した状態を撮影したものと、もとのファイルをあわせて示すけれど、写真表示に難があることは一目瞭然だ。
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上がディスプレイを移したものだけれど、画がぼつぼつしている。このディスプリエは画素が2階調で、中間長を出すために、1画素を4分割して、擬似的に中間調を表示していたと聞いた記憶がある。もとのディスプレイが確か1280×1024なので、本当の画素数は2560×2048だったはずである。極めて高精細なディスプレイなのである。
 この機種の駆動方式が独自で、専用のディスプレイボードが必要だった。その上、ケーブルもビデオケーブルと言うよりSCSIケーブルかという物であった。このため、その後にでたOSではドライバがないために使うことができない。この画像も、これだけのために残っているWin95マシンがあるから表示できている。
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そして、3番目の問題は、異方的液体ではなく、1次元結晶のスメクチック相、それも強誘電相を用いていたこと。強誘電相を用いることは、このディスプレイの最大の特徴で、高速応答や、IPSと同様の広視野角特性、TFTが不要の低コスト、さらには低消費電力を可能にする記憶効果などが期待されるのだけけれど、その見返りとして、ショックへの弱さや駆動の難しさなどの問題が生じてしまった。表示装置に関しては、キヤノンが基本特許を抑えてしまったために、他社の参入が今一つ盛り上がらなかったことも、問題解決を困難にする要因になっていたかもしれない。それにしても、この唯一の製品の画像がNet上にほとんどないようで、思わずアップすることにした。


少し前の21世紀のビューファインダーとそれに付随するカメラを買い込んだのは、強誘電性液晶ビューファインダーを使っているのが大きな要因だった。もちろん、強誘電性液晶ビューファインダーがついているなら、無条件で本体を買ってしまう訳ではなく、某高倍率ズーム機はさんざん悩んで、結局は購入を見送ったのだけれど、もし、ビューファインダーが違うシステムだったら、あの機種を買うことはなかっただろうと思う。
by zam20f2 | 2009-07-12 07:06 | 液晶系 | Comments(0)

電場によるSmC*のラセンのほどけ

不斉炭素を含むSmC相は強誘電性を示すと同時に、Cダイレクターの方向が回転するので、ある程度以上の厚さのセルだと周期構造(の2倍)に対応した縞が出現する。縞の成因は界面での配向と内部の配向の食い違いから発生する転傾であるけれども、かなり厚めのセルのコントラストの弱い構造は分子の傾きによる光の屈折によると主張されている。
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これは、電場を印加していない状態で、ラセン構造由来の縞が見える。

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by zam20f2 | 2008-09-30 21:40 | 液晶系 | Comments(0)

SmAからSmC*への相転移

SmA相では分子は層構造に垂直だが、SmC相になると、層法線方向から傾く。分子が不斉構造を持たない場合には、傾き方向は変わらないが、分子が不斉構造をもっていると、傾き方向は層から層へと回転していく。SmA相から、SmC相への相転移には1次の場合と2次の場合がある。1次の場合には、傾き角は0度から45度に近い値に一気に飛ぶことが多い。それに対して、2次の場合は0から連続的に温度の低下とともに増加し、30度弱で収束する傾向がある。
以下の写真はキラルのDOBAMBC。世界で初めて意図的に合成された強誘電性液晶である。左側は空気である。
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これは、SmA相。

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by ZAM20F2 | 2008-08-19 20:39 | 液晶系 | Comments(0)