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到来物(特別展(Ⅲ))

シリーズの最初のエントリーで出した山本さんの本によると、明治維新は科学技術の取り入れに非常に都合のよいタイミングで生じたと言う。いわゆる古典物理学が完成の域にたっして整理され、蒸気機関等の技術も一段落した時代。このため、紆余曲折したものではなく整理された物を効率良く取り込めたという。それを象徴するのかなと思える品がメートル原器。
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もちろんこれはレプリカで本物は筑波に厳重に保管されている。30本作られた原器の22番目の物が極東の島国にやってきている。そのときには、しっかりした鉄の容器に収められていたそうだ。
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Wikipediaによるとメートル条約が批准されたのが、1875年。メートル自体は18世紀には定まっていたけれども、それがじわじわとヨーロッパ諸国に広がって、この年に署名が行われた。日本は1885年に条約に加わり1890年に原器がやってきた。明治維新は、メートルが定められ、それがスタンダードとなった頃に行われたわけで確かに早すぎても何を受け入れるか混乱したかもしれないし、遅すぎれば、30本ははけてしまっていたかもしれない。
(おそらく)同時にやってきたキログラム原器はNo.6
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キログラム原器はメートル原器より後に作られたため、異なる番号のものが来たのではないかと思う。キログラム原器も、厳重な容器に保護されて運ばれてきた。
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日本では当時は長さの基準は尺だけれども、工業技術の大きな違いにため息をつくしかなかった時代としては、近代化のためにメートル法を導入するのは当然の決定だっただろうと思う。そして、メートル法の導入により尺を改めて定義することになり、尺原器が作られた。
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こちらくすんだ色だけれど、何で作っているのだろうか。メートル原器とキログラム原器の法は、白金-イリジウム合金で作られていて、プラチナが3000円/g程度なので、キログラム原器は地金にしちゃっても300万程度の価値があることになる。現在は役目を終えつつあるとはいえ、金庫に保管されているのも納得出来るところだ。

メートルの定義はしばらく前に変更になり、メートル原器はもはや歴史的および貴金属的価値しかないものとなった。キログラム原器も、キログラムの定義が変わるためにもうすぐ歴史的な品となる。この特別展の大夫後ろの方に、シリコンの真球があって、重さの定義に係わるような話があったので、思わず、新しいキログラムの定義はSi原子が何個といった感じで定義されているのかなぁと思ったのだけれども、調べてみると、プランク定数をある値に定めることにより定義されるようだ。

このあたり、この展示で、なんとなく不満なところ。日本を変えた千の技術博というなら、単発に物を出すより、系統的な流れが分かるような方向になっていた方がありがたい。
by ZAM20F2 | 2018-12-18 07:55 | 科学系 | Comments(0)

特別展(Ⅱ)

特別展の最初のあたりは、紙物が多い。前のエントリーの元素一覧もそうだけれど、もっと身近な物もある。
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まだまだちょんまげがのっているあたりに時代を感じる。
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これだと体重より重い物は持ち上げられないわけだけれども、
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より弱い力で引き上げられるものもある。
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動物絵図もあるのだけれど、これは、(写真はないけれども)英語版の元の図版があって、それを元に作製されているような印象だ。
ここまでの図版は教わる側を対象としたものだけれども、教える側を対象としていそうなものもある。
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こちらは、器具の使い方のようだ。

by ZAM20F2 | 2018-12-17 08:05 | 科学系 | Comments(0)

特別展(I)

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読みかけの本につられて、ふらふらと上野のお山に出かけた。
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出かけた先は博物館の特別展。
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入り口付近の門番さんの先には、開国以来のいろんなものが並んでいる。
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の実物を眺めると、随分といろんな元素が書き込まれている。
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それにしても不思議なのは、これらが19世紀に作られたものであること。原子論の歴史といった本を見ると、20世紀になって、アインシュタインのブラウン運動の理論が実証されて、万人が原子の存在を認めるようになったなんて記述があるんだけれど、そこまで原子を信じていなかった人は、このような元素の分別をどのように説明していたんだろうかと不思議になってしまう。


by ZAM20F2 | 2018-12-16 19:06 | 科学系 | Comments(0)

発掘品

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冷凍庫の大掃除をしていたら出てきたミニコピーフィルム。もちろん、使用期限切れの品物。
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このフィルムを作っていた会社、
「富士フイルムおよび関連会社では、富士フイルムグループ社会貢献方針にのっとり、本業を通じた社会・地域貢献をはじめ、写真文化を守る活動、将来世代への環境教育支援や、民間企業としては初めて自然保護をテーマとした公益信託「富士フイルムグリーンファンド」設立など、幅広い社会貢献活動を展開しています。」
らしいのだけれど、ミニコピーを初めとした銀塩フィルムの扱いを見ると「写真文化を守る活動」は社会貢献の看板から外した方がよいかと思う。
モノクロフィルム自体は、写真文化を守る気のある他のメーカーから(値段は高くなったとはいえ)供給されているので入手はできるのだけれど、知っている限りで、これに代わるフィルムは存在しなくなった。超軟調現像での画像も悪くないけれども、科学遊びをしたい普通の人が光の回折実験用の二重スリットを手軽に作ったり、簡易なフォトレジストマスクに使えるフィルム。デジタル化で出来るようになったことも多いけれど、出来なくなったことも確かに存在している。
by ZAM20F2 | 2018-12-10 07:47 | フィルム | Comments(0)

読者のその後

前のエントリーの本は、奥付きによると昭和28年の発行だ。7月初旬には発行されているので、夏休みには間に合うタイミングだったようだ。
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この本、蔵書印があった。
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持ち主はM.FUKUDAさんだったようだ。本には、他の手がかりも少しばかりあって、おいくつぐらいの方かも想像ついたので、この本の持ち主だった方のことを想像で描いてみたいと思う。

Fさんは昭和17年頃の生まれ。出身地は分からないけれども、東京の小学校に通っていて、この本を手に入れたのは小学校4年生の時。夏休み前に手に入れたので、随分と夏休みに眺めて、本の表紙が外れかけてしまったようだ。前のエントリーで本の左側に白い部分があるけれども、これは補修のために貼られた紙で、その上から4年生の時のクラスと名前が裏表紙に書いてあるので、間違いないだろうと思う。

昭和28年といえば、高度成長以前。都市部のサラリーマン家庭では、子供の科学を定期購読して、誠文堂新光社の新刊を知ることも出来たろうけれども、農村部では、まだまだ現金収入は乏しく、子供にこのような本を買い与えることは少なかっただろうと思う。それに、エナメル導線なんかも、そこらでは売っているものではなく、科学教材社の通販はあったと思うけれど、今みたいに、画面で見て、ポチれば済むような気楽なものではなかった。Fさんがこの本を手に入れて、工作もできたであろうことは、都市部に住んでいたからこそだと思う。


その後、6年生の時のクラスが書いてあって、さらに中学生の時のクラスが書いてある。この本は愛読書で、だんだんと複雑なものまで作るようになったのだろうと推測できる。

小学4年の時にはラッションペンのようなもので名前がかいてあるけれども、中学生になると万年筆の文字だ。昔は中学生になると万年筆というのがよくある話だったなぁとしみじみと思う。今は、万年筆なんていうのは趣味の筆記具で、妙な懐古趣味のボディーが流行っているけれども、昔は万年筆は実用品で、年々スタイリッシュな格好へと変化していくものだった。

その後、Fさんは大学の工学部に入学して、そして学部を卒業して誰でも名前を知っている弱電系家電メーカーに就職した。
今でこそ、理工系は大学院の修士まで行く人が多いのだけれど、Fさんの大学卒業はオリンピック前のこと。修士なんかに行ってしまうと、企業が雇ってくれなかったような時代だと思う。

山北さんも芝浦製作所の技術者だったわけで、その山北さんの本が愛読書だった子どもにとっては、きわめてまっとうな進路だと思う。

その後は技術者として、極東の島国の工業の発展に貢献されたのだろうと思う。Fさんのような多くの技術者がいたから、ハードウェア関係の工業の発展が可能だったのだろうと思う。

昭和28年から60年以上たった今、小学生向けに、電磁石やモーター作りを唆す本は知っている限りでは新刊で存在しない。一方で、小学校程度の子供でも、プログラムを独習できるような情報環境は存在しているとは思う。子供を取り巻く環境の変化は、これからの技術者にどんな影響を与えるのだろうか。






by ZAM20F2 | 2018-12-07 08:15 | 文系 | Comments(0)

電気模型と工作

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誠文堂新光社から出ていた山北藤一郎さんの本。対象は小学校高学年から中学生くらいではないかと思う。
まず電磁石が出てくる。
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これは、確かに小学生でも作れそう。
続いて出てくるのは電鈴
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そして電流計
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これは、意表をつかれたけれど、電流計の原理を理解するのにはよい工作だと思う。

モーターと続いていく。ただし、このモーター、磁石は使わずに電磁石で動かすようになっている。
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このあたりまでは、普通なんだけれど
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変圧器となると、作るのは良いけれど、何に使うんだという気分になってくる。
ちょっと面白いのは磁石を使ったモーターがこの後に出てくること。
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今の感覚からすると電磁石を使ったモーターはなく、こちらだけなんだけれど、それは、磁石が発達したためなのかなとしみじみする。
その後、発電機が出てくるまではありかなとおもう。
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でも、火力発電機となると
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ボイラーも必要なわけで、水力発電はその点は安心だけれど、
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それでも、工作はらくではないと思う。家中を水浸しにしなければ良いのだけれど。
そして最後は電源装置。
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ここまでたどり着いた子はどのくらいいたのだろうか?


by ZAM20F2 | 2018-12-05 08:36 | 科学系 | Comments(0)

結晶→ネマチック相転移

結晶からネマチック相への相転移。
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見た目組織がそのままだけれども、結晶ではぎざぎざだったドメイン境界がなだらかになっている。模様がそのままなのは、ネマチック相でも分子長軸の方向が結晶と同じためだと思う。
これは、少しばかり極端な感じで、ネマチック相になると結晶とは異なった文様になることもある。
by ZAM20F2 | 2018-11-13 07:18 | 液晶系 | Comments(0)

SmA扇形組織

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by ZAM20F2 | 2018-11-11 12:22 | 液晶系 | Comments(0)

ネマチック→等方相転移

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こちらは解けていく過程
by ZAM20F2 | 2018-11-07 06:53 | 液晶系 | Comments(0)

等方相→ネマチック相転移

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by ZAM20F2 | 2018-11-05 08:09 | 液晶系 | Comments(0)