人気ブログランキング |

タグ:SCI ( 730 ) タグの人気記事

ストロボメモ

ストロボを焚く回路には東芝のTLP241Aを使っている。秋月さんで1個130円の品だ。
この品を選んだのは、最大許容電流値が多きかったため。立ち上がり時間が他の品より少し長めなんだけれど、タイミングの揺れさえなければOKかなと考えた次第。
とりあえず、この品とOlympusのTパワーコントローラ(フィルムカメラのシステム)を組み合わせて使っていた。異なるストロボも試そうとOlympusのT32に変えてみたら発光しない……。T32がおかしいのかと思ったけれど、カメラにつけると発光するし、また、結線を直接接触させると発光する。T32は2台あるので、もう一台も試したけれど、こちらも発光せず。TパワーコントローラとT32は同じ回路だと思っていたのだけれども、何かが違っているらしい。
TLP241AはON時の抵抗が1Ω以下でかなり低い方だと思うのだけれど、何が気に入らないのか分からない。他のストロボではどうかと試してみたけれど、他の2機種では文句を言わずに発光している。

ところで、異なるストロボを使ってみようとしたのは、発光時間の違いがあるだろうと思ったため。
c0164709_08515917.jpg

上の写真は、Tパワーコントローラで撮影したものだけれど、落下中の水滴が止まっていない。これでも、発光時間を短くするため、フルパワー発光ではなく1/4発光にしている。着水寸前では、1mm秒で約3mm移動しているはず。水滴の大きさは撮影倍率からザックリ見積もると5~6mm程度。ブレの量からすると、水滴は1mm弱は動いているので、ストロボの発光時間は300マイクロ秒程度かなと思う。
というわけで、もう一つのストロボ。こちらは、フルパワーの1/16発光。強度が弱いので、拡散板等は入れずの撮影。
c0164709_08515943.jpg

こちらは、中々綺麗に止まっている。発光時間は、かなり短そうだ。ついでにもう一枚。
c0164709_08515925.jpg

ほぼ同じ位置で止まっている。この他数枚もほぼ同じ場所で止まっているので、揺らぎはm秒程度以下。水滴が同じ場所に落ちる場合には、再現性はそれなりにありそうな気がする。

水滴の落下の安定性に関しては、スポイトの先が問題なのかと考えて、先の平らな注射針のようなものも試したのだけれど、水滴が横向きの速度をもって落ちていたりするのを見て、採用は見合わせた。前回との違いは、スポイトの先を疎水性にしようとしていたのを親水性にしようとしたこと。あと、スポイトの滴下を丁寧に行うようにしたこと。

タイミングの問題に関しては、未だ解決していない。スポイトの下から水面までが約39cm。スポイトの下から、ディテクターまでが約2.8cm。水滴の大きさが6mmとすると、落下する時の水滴の下端からディテクターまでが約2.2cm。落下にかかる時間は70m秒弱で、水面到着は210m秒後のはずだけれど、必要なdelayは225m秒程度。フォトリレーの遅れなどを考えると、delayは210m秒未満であって欲しいところだ。
by ZAM20F2 | 2019-05-03 09:20 | 科学系 | Comments(2)

検討中(II)


詰めなければならない事柄は色々あるものの、とりあえず、ミルククラウンのような物は撮れている。
c0164709_11203895.jpg

ただ、個人的にはミルククラウンより、その後に出てくる「こけし」の方が気に入っている。
c0164709_11204119.jpg

c0164709_11204456.jpg

c0164709_11204663.jpg


「こけし」液層がある程度の深さがないと出現しないっぽい。ミルククラウンは、液層が2mm程度の厚みの方が綺麗との情報もあるけれども、その厚さでは、こけしはあんまり成長しないかも知れない。

綺麗なミルククラウンは中々得られていないけれども、一応は、初期の目的にはたどり着いた感がある。システムがらみの詰めはそれとして、問題は、この先何をするかだ。

Webをあされば、ミルククラウンの写真はあふれている。また、高校の課題研究の定番ネタであるようで、様々な試みがなされている。

ただ……課題研究がらみのWeb情報を眺めながら少し気になっているのは、撮影システムは、動画撮影の切り出しか、人がタイミングを計ってシャッターを切っているのが多く、液滴の落下をモニターして、タイミングを合わせてフラッシュを焚くものは少ないこと。全く撮影できないよりは、どんな方法であれ、撮影できた方が先に進めるのは確かなんだけれど、世の中に簡単にシステム構築をできるものが存在しているのに、それが広まらずに素朴な手法が使われ続けているという状況は何かが間違っている。Arduinoの存在は中学生の研究を通して知った訳で、決して高校生にとって高度過ぎるということはない。このあたりに、高等学校の課題研究の課題の一つが転がっているような気がする。

閑話休題。高校の課題研究の心配をしていても何にもならない訳で、問題は、自分でこの先何をするかだ。そもそも、ミルククラウン撮りたいなというのは、単純に昔にやりたかったけれど、できていなかったことが、できそうであるのに気がついてやり始めたのだから、まあ、それなりの写真を撮って終わりにするのが素直なところなのだけれども、Webを漁ってみた範囲で、そもそも牛乳の何が良いのかというあたりが今ひとつはっきりしない。粘性と表面張力がパラメータになるらしいのだけれど、それなら、水にPVAでも混ぜて粘性を上げて、適当な界面活性剤で表面張力をコントロールしたものでも良さそうだ。というわけで、水じゃだめですか?方向に行きそうな気がする。


by ZAM20F2 | 2019-05-02 11:21 | 科学系 | Comments(0)

検討中

発光システムの方はOKとして、実際に液体を滴下するのにはスポイトを使うことにした。押さえがないと、落下位置が定まらないので、少しばかり思案して写真のようなものを用意した。
c0164709_18484202.jpg


最初は、厚さ5mmのアルミ板に穴を開けてと考えていたのだけれど、カメラ屋さんでより適当そうなプレートを見つけたので、そちらを採用。あとは、そこそこの穴があいたL字型プレートを用意した。

準備したスポイトは先端部の外形が4mmφ程度。根元の膨らみの直下が10mm弱。そこで、プラスチックの5mmと10mmのワッシャで2カ所で位置を固定することにした。

最初は、前のエントリーで出した、12mmワッシャーにセンサを取り付けた部品を使っていたのだけれど、センサをつけた位置が悪く、液滴が内側に接触したりしたため、改めてL字型金具にセンサを取り付けた部品を作って、そちらを使っている。

とりあえずのテスト撮影。やってみて、色々と問題が出ている。

スポイト下端から液面までの距離は約40cm。落下時間は約285ms。
スポイト下端からセンサまでの距離は約3~4cm。落下時間は85ms程度。
というわけで、センサが感じてから200msでストロボを焚けばよいのだけれど、実際に液滴が着水するのは230ms程度後。どこかで30ms程度狂ってしまっている。これが、タイミング150msとか言われると、回路か何かの遅延という印象だけれども、delayを長くする必要があるということは……、センサーに予知能力があるという話になりかねない。何かがおかしい。(上の長さの値が違っているのが一番ありそうな話だ。まじめにはからなくては……)
そして、繰り返しで同じタイミングにならないのでジッター(タイミング揺らぎ)があり、その
原因を抑える必要を感じている。

ジッターの原因は幾つか考えられる。一つは、ループを抜ける判断のタイミングの違い。これについては、Arduinoにはハードウェア割り込みのポートもあり、そこを使えばジッターは減らせそうな気がする。ただ、ハードウェア割り込みで呼び出したサブルーチンではdelayコマンドは使えないっぽい。そうなると、遅延を作るのに、forループを回すという古典的な芸が必要となるので、どうしたものかと思案している。
二つ目の可能性は、液滴自体の問題。タイミングだけでなく、液滴の着水位置も異なっていたりする。どうも、均一な液滴となっていない可能性が高い。もっとも液滴が均一でないことと、タイミングが合わないことの間には、もう一段の論理が必要となるので、ジッターの原因かは定かではない。

いずれにせよ、細かいところ、積めていく必要がある。

by ZAM20F2 | 2019-05-01 18:49 | 科学系 | Comments(0)

Prototyping, Tinkering, Patching

表題は前のエントリーの本の帯にあったArduinoの流儀から
とりあえず、そのあたりにあるものを再利用して適当に組み合わせて動くものを作ってみるといった感じの話。
ただ、それをやるためには、やりたいことが存在している必要がある。

宝箱のレビューを見ると、色々と作れたけれど、それだけだったというようなものがあったけれども、確かに、やりたいことなく買い込んだら、一通り作ってみても、その後はお蔵入りになる可能性も高いと思う。
この手の工作にしろ、プログラムにしろ、やりたいことがない限りは作ろうという気力は湧かないものだ。

さて、では、何をやりたくて買い込んだのかというと、ミルククラウンの撮影なのであった。
ミルククラウンはミルクの液滴をミルクの上に落とした時に生じるリング状の文様。でも瞬間しか生じないからタイミングよく撮影する必要がある。今なら、1秒に数百コマも撮影できるスマートフォンなんかもあるので、ぼーっと撮影して、ちょうど良いコマを拾い出せばよいのだけれども、そんなものがなかった時代には、滴下する液滴を検知して、水面に衝突するタイミングでストロボを焚いての撮影となる。

ミルククラウンの撮影は、昔からやってみたいものの一つなんだけれども、問題は、液滴の落下を検知してから、ストロボを焚くまでのタイミングを調整する遅延回路。大昔にはケンコーがシステムとして売っていたのだけれども、さすがにミルククラウンのためだけに買う気に離れず、また、回路図を眺めたこともあるけれども、あんまり作れる気がしなくて、そのままになっていた。

遅延回路がやりにくいのは、遅延をハードウェアで実現することなんだけれども、Arduinoを使えば、ソフトウエアで遅延ができる。つまり、遅延回路部分はArduinoに任せられるので、落下をとらえるセンサーと、ストロボの回路をONするスイッチに相当する部品さえあれば、望みのものができると考えた次第。
必要な部品は残念ながら宝箱にはなかったので、別途買い込んだ。
c0164709_07470801.jpg

奥に見えるのが透過型のフォトセンサー。溝の間に光が走っていて、何かがそこを通ると光が遮断されて検出する。手前の黒いのはフォトリレー。入力信号を入れると、内部でLEDが光って出力側の何かを照らして出射側が導通する仕組み。入力側と出力側が電気的に絶縁されているので、出力側に何かを入れてしまっても、入力側に繋がっているものが壊れる心配はない。
ブレッドボード上に配置してみた。
c0164709_07470825.jpg

ソフトと配線は、付録についていた「スイッチでLEDをON/OFFする」というものを参考に、つなげている。Tinkeringというやつだと思う。
これ、実は1.5台目。最初はひょろひょろしたケーブルで適当につなげていて、動作確認ができて、写真を撮る段になって、あまりにも見苦しいので、少しすっきりとさせた。電源はArduino本体から取ってもよいのだけれど、何かのミスで本体を壊すことを恐れて、別途外部電源に頼っている。この写真では外部導通を確認するLEDはひかっていないけれども、溝にものを入れてセンサーを動かすと、ちゃんとLEDが光る。PrototypingとしてはこれでOK.それにしても、随分と楽に、考えていたものが実現できるものだ。
c0164709_07470820.jpg

これで、一応は最低限必要な動作は確保できていると思う。とはいえ、遅延時間を書き換えるのに、いちいちPCからソフトを丸ごと書き換えないといけない。他の課題を探して、使えそうなのを拾ってきて組み入れるPatchingの作業が待っている。

by ZAM20F2 | 2019-04-26 07:56 | 物系 | Comments(1)

部品色々

Arduinoはオープンプラットフォームなので、いろいろなメーカーから互換基板が供給されている。本家の品でも数千円程度だけれど、互換基板は千円程度で入手できる。
とりあえず、互換基板を入手して、それから、やりたいことに必要な部品を揃えてというのが、正しい進め方なんだろうけれども、そのために時間を割く余裕があんまりなく、Webを調べていると、適当な部品とセットにしてマニュアルまでついているスターターキットがあるのに気がついて、とりあえずスターターキットを買い込んで見ようかなぁと思っていたら、某Webでスターターキットがタイムセール割引になっているのに行き会って、思わず買い込んでしまった。
c0164709_06452477.jpg

いろんなパーツが入っている。なかなか宝箱という感じだ。
c0164709_06453654.jpg

このあたりが基板本体。
c0164709_06463495.jpg

上の方は接続ケーブル。密かにステッピングモーターが見えている。その下には距離センサーやら何やらのパーツ。
c0164709_06465716.jpg

こちらは電源そのほか……。まだなんだかよく分かっていない部品類。
とりあえず、マニュアルに従って、配線をして、ついてきたソースコードを入れると動く。
そして、ソースコードを適当にいじると動作も変化する。とりあえずの入門用としては悪くないかもしれない。
by ZAM20F2 | 2019-04-24 07:16 | 科学系 | Comments(0)

令和の少年技師

これは昭和の御代の少年技師の本。
c0164709_09164216.jpg


昭和といっても中頃の話で、昭和も末には絶版になっていたし、平成の時代もそして令和になっても再版されて、現在の少年少女に読まれるようになることはないだろうと思う。
本の中身、
c0164709_09172669.jpg

世の中にどんな道具があるのか、
c0164709_09175326.jpg

どんな手法があるのか、
c0164709_09173176.jpg

どうやってつなげるのか、
c0164709_09174296.jpg

どうすると強くなるのかなど、
単なるノウハウを越えて工作をするのに必要な基礎知識を概念を含めて十分に学べるだろうと思う。

この手の本は絶版となって久しい。まあ、考えて見れば、電子器機なんかがなかった時代には、電磁石やモーターは、それなりに格好いい存在だったけれども、現在では、旧式な存在に見えてしまうのは仕方がないことで、そのための本にも需要がないのは当り前の事ではあるのかもしれない。

そして、子ども向けの本のコーナーなどを眺めながら、これらの本に代る物はないなぁと長らく思っていたのだけれど、先日になって、存在に気がつかされる出来事に遭遇した。遭遇したのは、ふらふらと出かけた中学生の課題研究発表会の場。マイコンボードを使って、スマートフォンから操作できるペットボトル回収ロボットを作るという発表に行きあったのだ。まあ、この発表には、黒幕の人がいて、全体の流れの仕切とマイコンボードの選択も黒幕の仕事らしい。話によると、まず、生徒さんは、割箸と輪ゴムで動く車を作って、3つほど試作をしてみて、その経験も踏まえて回収ロボット作業に入ったそうだ。工作経験が非常に少ないので、まずは、ハードウェアを作る上での困難さを実感して、かつ、作って終りでなく、作った経験を元に改良を行うことを経験させたかったようだ。
その上で作りつつあるロボットは、アーム部分などは、なかなかにシンプルだけれども割箸ゴム車の経験が生きているような構造で、なかなか面白そうな具合になっていた。ソフトの方はどうしているのかと尋ねたら、中学生から、最初は難しかったけれど、段段分ってきて、自分で組めるようになったという答が戻って来た。

思い起してみれば、ワンボードマイコンの存在は知っていて、それを使って、面白いことをやっているのは脇で眺めていた事はあるのだけれど、それをやっていた人は、ハードもソフトも出来る人だったので、素人には敷居が高そうだなぁと、自分で手をつける気にはならなかった。でも中学生がやっているのを見せられると、なんか、自分でも出来るような気分にもなってくる。

ワンボードのマイコンといっても、調べてみると、いろんな種類がある。分っている人からすると、機能の高くて汎用性のある物を選ぶんだろうけれども(前に見たやつはmbedだった)とりあえず、ある程度の入出力デバイスも揃っているところで眺めるとArudinoというやつが魅力的に見えてきた。

これがArudinoの入門書。
c0164709_09232745.jpg



Arudinoは、非理系の芸術家なんかでも、電子デバイスを使った作品を作れることを意識して作られているみたいで、取っつき易い作りになっている。そしてまた、発想として、右往左往しながら試作を作ってねという感じ。昭和の少年技師達が、半田ごてを持ちながら右往左往していたのが、スクリーン上で右往左往するのに変ったという印象だ。

もちろん、最初はプログラム言語なんて分っていないから、本の例題を呪文のように打込んで、本の通の結線をすれば、動作する。このあたり、最初はブラックボックスなんだけれども、それは、大昔の少年少女が、雑誌に付属のコードをPCに打込んだのと同じ作業。繰返していくうちに、ブラックがグレーになって、やがてホワイトになっていくだろうと思う。本の後ろには、言語リファレンスもついている。また、本に書いてある以外の外部器機と接続しようとすれば、自ずと、色々な知識が必要になっていくはずだ。

本を眺めながら思うのは、ソフトウェア絡みのことはハードウェア絡みに比べて回転が速いよなということ。たとえば、LEDの点滅周期を変える課題など、その場で、待ち時間を変えれば、点灯時間が変るのが目に見える。これをコンデンサと抵抗の変化でやろうなんて考えると、(ブレッドボードならともかく、)結構な時間がかかる。ソフトウエア絡みのことは、何かをやった結果に対するフィードバックが早く、それ故に、ハードウェアをいじるのに比べると、同じ時間で、より多くの試行錯誤が出来るだろうと思う。

少年技師という言葉は死語だろうから、それに代わる言葉が必要なんだけれど、そんな言葉の持ち合わせがないので、死語とは思いながら使うなら、この本、令和の少年技師には合っていると思う。


by ZAM20F2 | 2019-04-21 09:24 | 文系 | Comments(0)

いろいろいろ

ネットオークション経由でやってきた箱
c0164709_08083233.jpg

蓋をあけると、いろいろな色が入っている。
c0164709_08083292.jpg

元の用途が何だったのかは知らないけれども、私の感覚からは分光屋さんが使うカラーフィルター
c0164709_08083286.jpg

使うアテはすぐにはないのだけれども、眺めているだけで楽しくなる品物だ。

by ZAM20F2 | 2019-04-19 08:11 | 物系 | Comments(0)

理科じゃない

学習塾が今月取り上げた問題は、定性的と定量的な表現に関するものだ。
この学習塾、毎月2つの問題を取り上げていて、使っている鉄道会社では、路線毎にどちらかの問題が掲載されているようだ。
今月の理科の問題、見た記憶はあるのだけれども、使っている路線ではもう一つの方の問題にしか行き当たらず写真を撮れていない。学習塾のWebから拾うことも考えたのだけれど、そんなことをすると、警察に踏み込まれかねない世の中、とりあえず画像なしで話を進めようと思う。

今月の問題、定性的表現と定量的表現に関する説明があった後で、例文中から定量的な表現を選べというものだ。説明文での具体的な例としては、「今日は昨日より暑い」というのと「今日は昨日より気温が5℃高い」が示されている。

一般的には定量的な方が定性的な事柄より、物事を正確に表現するものと思われているけれども、中谷宇吉郎が「測定によって得られた数字が、自然の実態を表していないか、あるいは実態のうちごく一部の性質しか表していない場合は、科学的の価値は少ないのである。」と記しているように、数値で表現したからといって情報量が増えたり、正確になったりするとは限らない。
たとえば、上の二つの表現を比べると、定性的な表現からは、季節は冬ではないであろうことが分かるが、定量表現の方では季節はまったく分からない。真冬日でも、前日の気温が-15℃で、今日が-10℃なら上記の定量表現としては成立している。一方、気温が-10℃の日に「昨日より暑い」という表現は、普通は考えられない。こうしてみると、定性的な表現の方が、より多くの情報を含んでいるのだ。

さて、問題文の方はアからオまでの文から定量表現を全て選べというもので、「明日は問題集を20ページ勉強する。」というのと、もう一つが定量表現になっている。

問題のつくりとしては、概念の説明の後で、概念理解を問うており問題としての出来はよく、選別能力もそれなりにあると思う。
でもさ……、これって国語の問題であっても、理科の問題ではない。理科で物事を定量的に扱うのは、自然の実態を理論と照合したり、比較検討できるデータとして抽出するためで、「問題集を20ページ」というのは、問題集のレベルが示されていないため、その意味内容は、問題文中の定性的表現の「明日は問題をいっぱい解く。」に比べて情報量が多いとは言えない。
実際、低レベルの問題集を20頁やるのと、最高難度の問題集を2頁やるのを比較したら、数値上は前者の方がよく勉強していそうだけれども、実際には後者の方が勉強としては時間もかかり深くなるものであったりするだろう。

そう考えると、この問題は、国語の意味では定性と定量を区別できるけれども、科学的な視点からは、どちらが情報をきちんと含んでいるかは定らない内容なのだ。

この問題の解説で塾は、「目標を定めるときやその効果や進捗をはかるとき、評価の基準を明確にしていないと、曖昧でぼやけてしまいます。明確な目標を示すために使われる考え方の一つとして、「定量的・定性的」な考え方があります。」と記している。でもこれは、理科ではなく、施策など社会的な事柄に関わることで、この問題の解説としてはそぐわないように思える。それに社会にしたって、インフレ目標率2%を実現できなかったら辞職するなんて言っていたはずの人が未だに居座っているのを見ると、評価の基準にはならないようにしか思えない。

これ、国語だったら、良い問題だったんだけれどね。


by ZAM20F2 | 2019-04-12 07:46 | 文系 | Comments(0)

でんじろうさんどこいくの

ぼーっとテレビを見ていたら、液体窒素と熱湯を100Lずつおけに投げ込むというのをやっていた。熱湯が凍ったら液体窒素の勝ち、すべて蒸発したら熱湯の勝ちという謎の勝負だった。どうやら、でんじろうさんの番組らしい。見ていて、「オトナは大変だなぁ」と思った。

実験の結果は、一気に気化した液体窒素のために、おけが壊れて、他に予定していた実験はできなくなり、でんじろうさんが「実験はやってみなければわからない」といったことを言っていた気がするのだけれど、これ、科学の実験の気がしない。

ざっくり調べると、液体窒素の気化熱は約200KJ/Kg。それに対して水の融解熱は325KJ/Kg。液体窒素の密度は密度は0.81Kg/Lなので、同じ容積の液体窒素は0℃の水を完全に凍らせる能力はない。では、部分的にでも氷ができるかというと、それは、熱湯の温度に依存する。熱湯といっても、紅茶を入れるのに適した温度から、ダチョウ倶楽部の熱湯風呂まで温度の幅は広い。水の比熱は4KJ/Kg程度なので、液体窒素の気化熱(200KJ/Kg)で同じ重さの水の50℃程度の温度変化は引き起せる。気化した後のガスをうまく熱交換して使えば、もうすこし冷却できるけれども、あの実験では気化したガスは大気に逃げてしまうので冷却は期待できない。最初の液体窒素の温度が沸点より低ければ、液体窒素の温度上昇分だけ冷却できるけれども、窒素は15℃程度の温度範囲しか液体でなく、比熱は2KJ/Kg程度なので、あと7.5℃冷せる程度だ。

ということはダチョウ倶楽部の熱湯風呂だったら、ごく一部の熱湯を氷にできるかもしれないけれども、玉露に適した温度では、氷は出来ないというのが結論となる。これは、単純な計算で分ることで、実際に実験をやらなくても、熱湯の勝ちだ。氷が出来たとしたら、実験に間違いがあったと言うことになる。でんじろうさんの実験は、演示実験という分類に含まれるものだと思う。演示実験とは、高校の物理でもおなじみのモンキーハンティングのように物理に対する理解や納得を深めることを目的としたものだ。では、液体窒素と熱湯の対決で、理解や納得が深まったかというと、そもそも、そういった科学的な話はなかったように思う。そしてまた、科学的な話をするなら、100Lも使う必要なく、100ccでも十分だろうと思う(断熱などはより注意する必要があるかもしれないが)。そう考えると、あれは、演示実験としても成立していない。単なる、どうでもよいテレビのバラエティーショーだ。

というわけで、「オトナって大変だなぁ」と思った次第だ。100ccの液体窒素とお湯を混ぜても、派手な映像とはならない。テレビ的には、それじゃ駄目じゃんというところだろうと思う。「大科学実験」という反科学的な番組でも、意味ない巨大化がなされるけれど、どうやらテレビの人の頭の中は粗雑で、大きければよいというエールチョコレートの昔から進歩していないものと見える。で、それにつきあわないと番組が続けられないように思えるわけで、科学じゃないと分っていても、やらざるを得ないのだろうなぁと感じた。食べていくのは何事も大変だ。

このブログでも何度か書いたことがあると思うのだけれど、昔、小学校の先生から「子どもを科学館に連れて行くと、液体窒素で花を凍らせる実演などを目を輝かせて見るんですけれども、学校に戻ってくると、それは学校とは別の華やかな世界の話で、学校の理科は、そんな凄いことを見せるわけではないので、科学館に行って液体窒素を見たことによって、逆に学校の理科への興味を失う場合がある」といったことを伺った事がある。あのテレビをみて、液体窒素すげーと思うこどもが、学校の理科で液体窒素が出てこないのでつまらないと失望することをでんじろうさんが望んでいるとは思わないけれども、そうなる危険性は十二分にあるし、それ以上に、普通のオトナに科学を誤解させる危険性がある。

でんじろうさん、どこへ行きたいのだろう。

by ZAM20F2 | 2019-04-09 06:09 | 文系 | Comments(0)

到来物(特別展(Ⅲ))

シリーズの最初のエントリーで出した山本さんの本によると、明治維新は科学技術の取り入れに非常に都合のよいタイミングで生じたと言う。いわゆる古典物理学が完成の域にたっして整理され、蒸気機関等の技術も一段落した時代。このため、紆余曲折したものではなく整理された物を効率良く取り込めたという。それを象徴するのかなと思える品がメートル原器。
c0164709_07353720.jpg

もちろんこれはレプリカで本物は筑波に厳重に保管されている。30本作られた原器の22番目の物が極東の島国にやってきている。そのときには、しっかりした鉄の容器に収められていたそうだ。
c0164709_07353724.jpg

Wikipediaによるとメートル条約が批准されたのが、1875年。メートル自体は18世紀には定まっていたけれども、それがじわじわとヨーロッパ諸国に広がって、この年に署名が行われた。日本は1885年に条約に加わり1890年に原器がやってきた。明治維新は、メートルが定められ、それがスタンダードとなった頃に行われたわけで確かに早すぎても何を受け入れるか混乱したかもしれないし、遅すぎれば、30本ははけてしまっていたかもしれない。
(おそらく)同時にやってきたキログラム原器はNo.6
c0164709_07353759.jpg

キログラム原器はメートル原器より後に作られたため、異なる番号のものが来たのではないかと思う。キログラム原器も、厳重な容器に保護されて運ばれてきた。
c0164709_07353711.jpg

日本では当時は長さの基準は尺だけれども、工業技術の大きな違いにため息をつくしかなかった時代としては、近代化のためにメートル法を導入するのは当然の決定だっただろうと思う。そして、メートル法の導入により尺を改めて定義することになり、尺原器が作られた。
c0164709_07353733.jpg

こちらくすんだ色だけれど、何で作っているのだろうか。メートル原器とキログラム原器の法は、白金-イリジウム合金で作られていて、プラチナが3000円/g程度なので、キログラム原器は地金にしちゃっても300万程度の価値があることになる。現在は役目を終えつつあるとはいえ、金庫に保管されているのも納得出来るところだ。

メートルの定義はしばらく前に変更になり、メートル原器はもはや歴史的および貴金属的価値しかないものとなった。キログラム原器も、キログラムの定義が変わるためにもうすぐ歴史的な品となる。この特別展の大夫後ろの方に、シリコンの真球があって、重さの定義に係わるような話があったので、思わず、新しいキログラムの定義はSi原子が何個といった感じで定義されているのかなぁと思ったのだけれども、調べてみると、プランク定数をある値に定めることにより定義されるようだ。

このあたり、この展示で、なんとなく不満なところ。日本を変えた千の技術博というなら、単発に物を出すより、系統的な流れが分かるような方向になっていた方がありがたい。
by ZAM20F2 | 2018-12-18 07:55 | 科学系 | Comments(0)